第48回:ドライバー採用時の確認事項

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第48回:ドライバー採用時の確認事項

2015年3月12日

 前回は、一般的な社員を採用する際の注意点について広くご説明しました。面接時に確認する事項は、入社後、正常な業務を行うのに必要なことであれば確認しても問題ありません。では、今回は運輸業で最も採用の機会が多い、ドライバーを採用する際の注意点についてご説明します。

 特に注意しておきたいのが、業務遂行に最も関係する「健康面」の確認です。ドライバーの場合、運転中に傷病により体の一部が突然効かなくなるようなことがあれば、他人を巻き込んだ大事故になりかねないからです。


 もちろん、事故が起こってしまえば会社は安全配慮義務を問われ、責任を取る必要が出てきます。昨春に起こった祇園の事故は、皆さんの記憶にもまだ新しいのではないでしょうか。あの事故の場合も会社がてんかんを認識していたのに運転を止めさせなかったとして、社長に対して業務上過失致死傷容疑で書類送検が行われ、雇用主にも刑事責任が問われました。

 また、現在は健康であっても再発の可能性が高いと言われるような傷病である場合、面接時の段階で一時的に治っていても入社後に再発する可能性があります。再発したとしても、業務に支障が出ない傷病であれば問題がありませんが、必ず現在の傷病だけでなく、過去発症した傷病についても確認しておく必要があります。さらに、業務遂行には直接的に影響しない傷病であっても、服用している薬の副作用で激しい眠気や血圧の上昇なども考えられます。通常の業務遂行の妨げになる要因であり、やはり健康面について漏れなく事前に確認しておく必要があるでしょう。

 入社時に健康状態について明確にしておくことは、未然に事故を防ぐことにもつながります。お互い入社後のリスクを避けるためにも、健康面の確認は必要なことではないでしょうか。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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