第34回:ドライバーの高齢化対策

連載トップへ

第34回:ドライバーの高齢化対策

2014年8月28日

 少し前のデータになりますが、平成22年の中型免許以上新規取得者は、平成19年と比較して4割ほど減少しています。運送業界における将来のドライバー確保は、どの会社でも共通の課題ですが、こうして数字で見ると、いよいよ深刻さを増してきました。若手の採用が難しいとなれば、年配のベテランを頼らざるを得ません。ですから、雇用条件面で年配社員とトラブルが起きないよう、正しい知識と整備が必要となります。

 年配社員を雇用するうえで、まず整備しておきたいのが定年についてです。高年齢者等雇用安定法では(1)定年制度の廃止(2)継続雇用制度の導入(3)65歳までの定年引き上げ──のいずれかの実施を会社の義務としています。


 各会社の就業規則を見ると、②の継続雇用制度を導入している会社が多いようです。私自身、特に運送業界においては継続雇用制度の導入が正しいと思っております。なぜなら、継続雇用制度は原則、希望者全員ですが、社員側と労使協定を結ぶことにより、再雇用を除外とする社員を指定することができるためです。この中には健康上、継続が困難な人を含めることができます。例えば60歳定年で、その後は継続雇用制度を導入している会社のドライバーが、定期健康診断で心臓に異常が見つかったとします。この場合、あらかじめ協定書に定めがあれば、再雇用の対象にはなりません。

 ポイントは、継続雇用制度を導入するのであれば、必ず労使協定の締結まで検討するということです。内容についても「健康上、業務に支障が無い者」では曖昧な表現になりますので、どのような状態だと運転業務に支障が出るのかをより具体的に特定しておいても良いでしょう。また、定期健康診断の結果だけでは見つからない疾病もあります。後に運転中に発作が起きて事故を起こすことを想定すれば、少々費用がかかっても、人間ドックなどの精密な検査の受診を義務付け、その結果から判断することも賢明といえるでしょう。 

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

GoogleAD