第21回:団体交渉時における注意点

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第21回:団体交渉時における注意点

2014年2月27日

 現在の日本では、約70%以上の企業が労働基準法に違反していると言われています。「うちは大丈夫!」と言っている会社であっても、知らず知らずのうちに違反しているといったケースもよく見受けられます。そんなとき突然やって来るのが、ユニオン(合同労組)による団体交渉の申し入れです。

 団体交渉とは、労働組合法に基づいて設立された労働組合が、使用者またはその団体と労働協約の締結、その他の事項に関して交渉することを指します。このレベルまでいってしまうと「社員が給与のことで文句言っている」では済まないことを、会社は認識しなければならないでしょう。この団体交渉次第では、労働委員会による調停や裁判に発展することもありますし、その他にも会社にとって非常に不利な労働協約を結ばされる可能性もあるからです。


 まず団体交渉において重要なことは、申し入れがあった際は、正当な理由がない限りは必ず応じなければならないということです。以前、申し入れがあったにも関わらず無視を貫いた会社がありました。しかし、正当な理由もなく団体交渉に応じないことは「労働組合法上の不当労働行為」であるとして、交渉どころか溝は深まるばかりです。すぐに応じられない場合は、応じられる日を明確にして相手に伝えるべきでしょう。

 次に、団体交渉に同席するメンバーにも注意が必要です。団体交渉の申し入れを受けたとき、「同席して欲しい」と私どももご依頼を頂くことがあります。しかし、こうしたときは、できれば弁護士も同席させて欲しいと、常々私はお願いしております。その理由は、団体交渉では決着が着かず、次のステージに進んだ場合、法律上、弁護士しか介入できなくなる可能性が非常に高いからです。そうであれば、初めから弁護士に参加してもらう方が最善と私は考えます。また、弁護士は全て労働法に詳しいとは限りません。労働法を専門とし、経験豊富な弁護士を探すことも重要なポイントといえるでしょう。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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