第20回:入社前に確認しておきたい項目

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第20回:入社前に確認しておきたい項目

2014年2月13日

 私達に寄せられる労務相談の中で最も多いのが、入社1年未満の従業員とのトラブルです。その原因をたどると、採用時のミスマッチであることが一つ挙げられます。そうであれば、必然的に採用選考時の確認事項について入念に行わざるを得ません。

 しかし、日本の労働法には差別的な取り扱いを規制するものが多いのも事実です。経営者様の中には「面接時に、どこまで踏み込んで聞いていいのか...?」と、慎重に採用を進める方も多いようです。逆に、採用される側からみれば「聞かれていないのに、自らそこまで申告する必要があるのか?」となります。


 しかし、面接時に申告してもらう事項に関しては、入社後の正常な業務遂行に必要なことであれば聞いても問題ありません。特に注意しておきたいのが健康面です。ドライバーに関していえば、現在の持病と病歴については必ず確認しておきたいものです。

 一般的に再発の可能性が高いと言われるような傷病である場合、面接時の段階で一時的に治っていても、入社後に再発する可能性があります。再発したとしても、業務に支障が出ない傷病であれば問題がありません。しかし、ドライバーの場合、運転中に傷病により体の一部が突然効かなくなるようなことがあれば、他人を巻き込んだ大事故になりかねません。もちろん、このとき会社は安全配慮義務を問われることになるのです。持病等が事前に分かっていれば配置転換等により、未然に事故を防ぐことも可能となります。

 また、業務遂行には直接的に影響しない持病であっても、服用している薬の副作用によって激しい眠気や血圧の上昇などが考えられます。ドライバーの通常の業務遂行の妨げになる要因であり、やはり事前に確認しておくべき事項といえます。

 このように、入社時に健康状態等について明確にしておくことは、お互い入社後のトラブルを避けるためにも必要ではないでしょうか。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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