第2回:試用期間の陥りやすい誤り

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第2回:試用期間の陥りやすい誤り

2013年6月13日

 皆さんの会社では、従業員を採用するときに、どのように形で採用しているでしょうか。多くの経営者と話すと、「試用期間を経てから正社員にしている」「試用期間は3か月」という回答が多数を占めます。今回は試用期間について考えてみましょう。


 試用期間を経て、本採用したくない社員の一番多い回答は、「能力が低いから」でした。「能力が低く」本採用しないことはいいのですが、仮に争った場合、皆さんはこの社員の能力の低さをどのように証明しますか。「報告・連絡・相談ができなかったから」「まともなあいさつができていない」など、文章として残されていないのが実態ではないでしょうか。

 私は経営者の味方ですから、気持ちはよく分かります。でも、争いがあったら、「いつ」「どのように」本人に伝えたかが重要になります。つまり、社員本人の能力不足を文章などで明確に伝えていなければ、会社側が不利となるのです。私は経営者の皆様に、ご自身の会社の正社員像を明確化してくださいと申しております。つまり、「事故を隠さず報告する」「あいさつができる」など、正社員像を文章化して、試用期間中は毎月社員と話し合うのです。何が出来て、何が出来ないのか。そして、毎月話し合い、結果、本採用を見送ったとすれば、リスクを軽減することが可能となります。

 また、試用期間中に能力が不足している場合、社員の試用期間を延長するという回答も多く聞かれます。延長も、雇用契約書や就業規則などに明示していなければ、経営者の気持ちとは裏腹に、試用期間満了時で実質、本採用と考えられます。問題社員の発生頻度を考えると、試用期間は6か月がベストだと考えております。これくらい期間がなければ、問題社員を見抜くことが難しいように思われます。皆さんの就業規則や雇用契約書には試用期間の延長は記載されていますか。今一度チェックしてみてください。次回は運輸業者に向いている採用方法についてお話しします。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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