第16回:雇用促進税制について

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第16回:雇用促進税制について

2013年12月19日

 8月から全国のハローワークで、雇用促進を目的とした新しい制度の「雇用促進税制」の受付が開始されています。この制度、平成23年4月1日から8月31日までに事業年度を開始する企業が適用を受けるには、10月31日までに計画書の提出が必要です(9月1日以降に事業年度を開始する場合は、2か月以内に提出)。そこで今回は、いまだ認知度の低いこの雇用促進税制のお話ししをしていきます。


 制度の概要を簡単にいうと「新事業年度中に前事業年度末の10%以上かつ2人以上(大企業は5人以上)の社員(雇用保険加入の対象者)を雇った場合、新事業年度の税額から1人につき20万円の控除が受けられる」となるのですが、大きなポイントが二点あります。

 一つ目は、他の助成金制度などと比較して手続きが簡単なことです。書類は「雇用促進計画」を1枚提出するだけで初回の手続きは完了します。その後の手続きは事業年度終了後、要件に該当していた場合、その旨を記入して再度提出するだけです。つまり、計画と申請でハローワークに2回通い、そこで受理印を押してもらった計画届を確定申告時に税務署に提出すると、税額控除が受けられるという簡易さが特徴です。

 次のポイントは、控除される対象が「課税所得金額」からではなく、課税所得金額に税率を掛けて算出した「税額」から受けられるということです。税額から20万円の控除というのは、どれほどの意味をもつのでしょうか。平成23年度の中小企業で所得が年800万円以下の会社に課せられる法人税率は15%です。つまり、税額から20万円控除するというのは、およそ130万円の利益を捻出することに相当すると言えます。

 対象となる事業主などの要件はありますが、この制度は手間がかかりません。増員予定の会社はもちろん、現段階で増員予定がない会社でも、来年度は結果的に増員している可能性も否めません。ハローワークで要件を確認し、計画届だけは提出しておくことをお勧めします。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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