第110回:出来高給制の活用

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第110回:出来高給制の活用

2017年7月13日

 前回お伝えしました手当の見直しを行う際に、一緒に考えてみたいのが「出来高給制」の導入です。うちでは前からやっているよ、という運送会社も多く、ある意味、運送業界では伝統的な給与の支払い方です。単純に「売り上げの●%を支払う」というものから、「ルートごとに単価を決めて支払う」ものなど、支払いの対象、賃金設定は各社各様となるのではないでしょうか。


 出来高給制は、主に「どんな仕事をして、結果(量など)を出したか」に対して給料を支払います。そのためドライバーの給与制度には、とてもなじみやすいものだと思います。こう見ていくと、ドライバー特有の手当も出来高給と同じような趣旨で支払われているものが多いことに気づいたかもしれません。「長距離手当」「荷下ろし手当」「資格手当」なども、運んだ距離、運賃、能力、作業の種類といった、行った仕事や結果(量など)に対して支払っています。モチベーションアップのためにも、このような指標でドライバーを評価するしくみは残すべきでしょう。


 しかし、指標ごとにそれぞれ手当をあてがうと、手当の数が多くなって複雑になり、ドライバーにも分かりにくいものになってしまいます。そこで、手当の代わりに出来高給を導入するのも一つの手です。出来高給の利点は、複数の指標も工夫次第でまとめて評価できることです。


 固定給としての手当は、「会社が決めた所定労働時間の中で行う仕事」に対して支払うものですが、これを出来高給とすることで、「行った仕事、出した結果(量など)」に対して支払うことがはっきりします。


 また、出来高給制は労働時間が短くても、効率よく多く指標を達成すれば給与が高くなるという設定となります。これなら、終業時間前に回り道をしたりして労働時間を引っ張るドライバーも少なくなり、業務の効率化、労働時間の短縮化にもつながるのではないでしょうか。


 次回は、「出来高給制」のメリット、デメリットについて、もう少し掘り下げてご案内していきます。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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