第101回:社員代表者の選出方法

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第101回:社員代表者の選出方法

2017年3月16日

 就業規則の提出、そのほか労使協定の締結を行う際には、「社員代表者」の署名が必要となります。ここで言う社員代表者とは、当該事業場の労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)を指します。


 就業規則や労使協定を締結したことがある会社であれば、必ず社員代表者がいるわけですが、社員代表者の選出方法にも一定のルールがあります。間違った方法で選出すると、その社員代表者は無効とされ、そもそもの就業規則や労使協定が無効であるという事態にもなりかねないのです。


 正しい選出ですが、社員代表者を決めることを明らかにした上で、投票、挙手、話し合い、信任など社員により民主的、公平な手続きで選出する必要があります。具体的には、社員が集まって話し合いをするような機会(朝礼、会議)があれば、その際に社員の話し合いにより選出を行ったり、社員が集まる機会がない、というのであればメールやイントラネットで一斉通知をし、選出を行う方法も認められています。


 また、社員が集まる場ならどこでもよいので、忘年会などを利用している会社もあります。ただし、社長が一方的に社員代表者を決めて、周りの社員は誰も知らないという会社は、正しい選出が出来ていませんので注意が必要です。


 社員代表者選出でネックになるのが、社員の過半数の同意が必要であるということです。このため、社員代表者がなかなか決まらないため、会社が一方的に社員代表者を指定している、という会社もあるのではないでしょうか。


 そこで、スムーズに選出できる方法をひとつお教えします。多数決や信任の投票をするときは、「○○さんでいいですか? いい人は挙手してください」と聞く場合と、「○○さんが立候補しました。反対する人、代わりに自分が立候補するという人は挙手してください」と聞く場合では、どちらが過半数の同意を得やすいでしょうか。


 自らの意思表示が苦手とされる日本人です。どちらの方法も社員の意思を確認しているには変わりませんが、後者のやり方が過半数の同意を取りやすいことが容易に想像できるのではないでしょうか。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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