第10回:震災被災者採用の助成金

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第10回:震災被災者採用の助成金

2013年9月26日

 東日本大震災から3か月以上が経ち、経営者の方とお話しして感じるのは、今は義援金や物資援助ではなく、直接、復興支援に協力したいとの要望が多いことです。そこで今回は、企業が検討できる復興支援策と助成金について話していきます。

 被災地域の方を社員として受け入れたい、という経営者の方も多くいます。5月2日に新設された助成金で注目したいのは、被災者雇用開発助成金です。被災離職者や被災地域に居住する方をハローワークを通じて採用した場合、年間最大90万円(短時間労働者は最大60万円)の助成金が支給されます。対象労働者は震災で離職された方で、次の3要件を全て満たしている方です。(1)震災時に被災地域で就業していた(2)震災で離職を余儀なくされた(3)震災後に安定した職業についていない──です。


 注意したいのは「安定した職業」とは何かです。ただ単に、アルバイトで働いている人を採用するなら助成金の対象者として問題ないかと言えば、週20時間以上で6か月以上働いていた場合、安定した職業に就いたこととなります。面接に来られた方が対象者か否かは、ハローワークに確認してみましょう。

 次に、被災地域に居住する方を採用した場合も助成金の対象となります。注目したいのは被災地域が東北地方に限らず、千葉県や栃木県、茨城県の一部も対象範囲となっていることです。例えば、茨城県つくば市や千葉県浦安市に居住する方も対象者です。詳しくは厚生労働省のHPで確認してください。

 この助成金を活用すれば、年収300万円の人を雇っても、支払う給与は年間210万円、月給17.5万円で雇用することが出来るのです。人数制限もないので何人雇っても90万円の助成金を受けられます。ハローワークに求人募集する際に「被災者雇用開発助成金の対象者だけ求人したい」との募集も可能です。人的支援を積極的に行いたいと切望されている企業は、この助成金を一工夫して活用しましょう。
 ※次回から就業規則関連の話に戻ります。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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