第43回:社長が意思表示できなくなったとき

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第43回:社長が意思表示できなくなったとき

2014年12月17日

 中小企業にとって社長は会社そのものであり、社長の意思が会社の意思となります。意思に従い、活動するのは社員ということです。


 今回は、高齢社会日本のなかで、急速に進む社長の高齢化問題をとりあげます。事業の承継はあまり拙速にすることもできませんが、かといっていたずらに長引かせると、何か起きたとき、医療機関や介護施設から常時、指示命令するなどという事態もおこりえます。


 最近、私が接している社長も80歳超えてなお現役という方が多く、最高齢は93歳の現役社長です。そうなると、何かのアクシデントのおり、寝たきりになるなどして判断能力に支障がでる可能性が高まります。


 実際に、今年も70歳の社長が突如、脳梗塞で倒れられて、唯一の株主もその社長のみというケースを対応させていただきました。残された会社の人々は、私どもに相談し、まず仮社長=代表取締役を裁判所に選んでもらったり、社長の成年後見人を立てたり、そして家族間のいさかいに巻き込まれたりと大変な事態となりました。


 社長がいなくなっても、自分たちは食べていかねばならないのにもかかわらず、決して愉快ではない裁判所とのやりとりや、縁もゆかりもない社長の家族とのやりとりなどストレスは相当なものでありました。


 こういう場合に備え、大株主でもある社長の場合は、単に後継者を決めておくだけでなく、万が一のときに至急対応できるよう、遺言書はもちろんのこと、判断能力低下を補ってくれる任意後見人をおくこと。他方、自社株を信託(しんたく。名義は変えておくが、権利は自分のままにしておき、自分に万が一のことがあっても名義者が意思決定をしてくれる制度)しておいたりすることを真剣に考えておきましょう。


 経営者は最悪に備える。簡単なようで難しいことです。まずは事業承継・維持の専門家である私たちにご相談いただければ幸甚です。


(荻野恭弘、名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

名南コンサルティングネットワーク

名南コンサルティングネットワーク

東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。

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