第40回:「継ぐ人」思いの事業継承策

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第40回:「継ぐ人」思いの事業継承策

2014年11月12日

 事業承継の相談がひっきりなしにあります。


 最近は、事業を子どもに継がせる企業が減ってきました。継いでくれない、継がせたくない、継がせる子どもがいない...など、いろいろな事情が重なっています。これが日本の中堅・中小企業の実像でしょう。


 子どもに限らず、ある人が事業を承継する場合、一番気になるのが未来への不安。いままでやってきた社長が変わり、社会つまり周りの人々、顧客、仕入れ先、株主、銀行、従業員、地域住民が、今までどおり、そして今まで以上に自社を助けてくれるだろうかという不安です。この不安を解消するには二つの点が重要です。


 第一に、継ぐ人の能力・価値観。これが大事なのはいうまでもありません。第二に、その継ぐ人の能力・価値観が実現できるだけの「法律上の権限」がその人にあるか、経営体制の確立という点も見逃せません。その能力・価値観と権限・経営体制が相まって、周りの人から信頼され、そして社会に必要とされる会社となっていくのです。


 そのような権限委譲をどうやってやるのかというと、ソフトとハードの二つの面で考えていきます。ソフト面では企業理念及び問題解決合議体を立ち上げ、運用していくこと。前社長の属人的な経営体制から、いわゆる仕組みで動く経営体制にもっていくことです。ハード面では支配権たる株式の移転です。それは人事・財政の権限の集中を意味します。この二つを掌握しないことには無責任経営体制を招き、早晩、会社は瓦解すると思います。株式の移転については、遺留分や贈与税の問題も発生するので、司法書士や税理士らと相談し、上手に実施していくのが肝心です。


 今の時代、廃業も増えています。事業を続ける意欲の喪失。非常にもったいないし、それが増えると日本経済社会にとっても由々しき事態を招きます。


 そういうわけで継ぐ人はとても大事です。その継ぐ人の目線に立った事業承継のプランをつくっていただけるとよいでしょう。


(荻野恭弘、名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

名南コンサルティングネットワーク

名南コンサルティングネットワーク

東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。

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