第28回:会社法の改正1

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第28回:会社法の改正1

2014年7月23日

 平成18年5月1日に施行された会社法が改正されようとしています。法案は国会に提出されましたが、成立は今年の通常国会以降にずれ込み、施行はさらに不透明です。


 今回の改正は、主として上場会社を中心とする公開大企業を対象とした「企業統治の在り方」と「親子会社に関する規律」の見直しですが、併せて現在の会社法の問題点の修正もなされます。


 企業統治の在り方としては、経営に対する監督を強化しようとするものです。具体的には社外取締役の活用をはかろうとするもので、社外取締役設置の義務付けまでには至りませんでしたが、社外取締役を置かない上場会社などに対して「社外取締役を置くことが相当ではない理由を事業報告の内容とする」ことを義務付けています。また、社外取締役や社外監査役の定義の見直しや、業務執行に従事しない取締役や社外監査役でない監査役にも責任限定契約を認めるなどの改正です。


 親子会社に関する規律としては、事業を行わない純粋持ち株会社が増えるなどで、親会社と子会社とを一体としてとらえることが必要になっていることを考慮し、親会社(持ち株会社)の株主に子会社(事業会社)の役員に対する代表訴訟等を一定の要件のもとに認めることなどの改正です。


 その他の改正点としては、監査役の監査権限の範囲を会計に関するものに限定している旨が登記事項になります。これは、株主が代表訴訟を会社に請求する場合、この監査役の権限を限定していない会社であれば、監査役に請求することになります。しかし、現在の登記簿では、監査役の権限が公示されないため、だれに請求していいのかが判断できません。


 以上のような改正は、企業の不正行為の防止を今まで以上に規律していこう、という表れです。法律の半歩先を行く体制と株主との友好的な関係づくりを、より意識した経営が求められるということです。資本政策や機関設計について、一度検討してみてはいかがでしょうか。


(岩本直也、名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

名南コンサルティングネットワーク

名南コンサルティングネットワーク

東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。

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