第27回:コンプライアンスとCSR

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第27回:コンプライアンスとCSR

2014年7月 9日

 コンプライアンスという言葉は、既に日本社会に浸透したといっても過言ではありません。最近も、高級レストランでの食品表示に関する問題が世間を騒がせ、企業のコンプライアンスを巡る報道を目にしない日はありません。


 しかし、皆さんはコンプライアンスという言葉の意味を正確に答えられるでしょうか。言葉だけが独り歩きをしないよう、今回は改めて意味を考えてみたいと思います。


 コンプライアンスという言葉は、企業活動を巡る事件や事故など、いわゆる企業不祥事が起きるたびに、それを防止する議論の中で登場します。そして、コンプライアンスと密接に関連するのが、法令順守、企業倫理(経営倫理)、企業の社会的責任(CSR)などの概念です。コンプライアンスを理解するには、これらの言葉それぞれが意味するもの、相互にどのように関係するのかを整理する必要があります。


 コンプライアンス(compliance)という言葉は、「(命令に)従うこと」「法令などを順守すること」と訳されており、特に日本では、コンプライアンスはそのまま「法令順守」と置き換えられることが多いと思われます。その意味では、企業の存続に欠かすことのできない条件であるといえます。


 単に法令順守としてとらえるとすると、これを超えた考え方として「企業は法令を順守しているだけでは足らない。それ以上のものが求められる」といわれることがよくあります。これは、単に法令のみに従えば良いと考えるのではなく、法令を超えた領域についての自社の企業倫理や経営倫理を指すものといえます。


 最近は、CSR(corporate social responsibility)、すなわち「企業の社会的責任」という考え方も広まってきました。企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持ち、あらゆるステークホルダー(利害関係者=消費者、株主、従業員、地域や社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指します。これも、法令順守に留まらない企業が社会に対して果たすべき責任という意味で使われます。


 このように、企業にとってコンプライアンス(法令順守)はもはや必要最低条件であり、これを上回る高度な倫理観が求められる時代になりつつあるといえます。


(小谷祥、名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

名南コンサルティングネットワーク

名南コンサルティングネットワーク

東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。

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