第23回:コンプライアンスの基本は身の丈に合った体制づくり

連載トップへ

第23回:コンプライアンスの基本は身の丈に合った体制づくり

2014年5月12日

 強い会社になるためのコンプライアンス経営とは、法令を順守しつつ会社ごとに身の丈にあった経営体制を築いていくことです。そのためには、より多くの選択肢を知り、企業自身でアレンジを加えていく必要があります。今回は、株式会社と有限会社の違いについて取り上げたいと思います。


 平成18年5月1日に会社法が施行されたことに伴い、新しく有限会社は設立ができなくなり、既存の有限会社は「特例有限会社」として存続することとなりました。この特例有限会社は、基本的に株式会社と同じように取り扱うことになっていますが、全く同じ取り扱いではなく、異なる部分も数多くあります。



 株式会社には役員の任期の規定があり、任期が満了すれば役員の改選とその変更登記をしなければなりませんが、特例有限会社は、役員に任期はなく、改選手続きをする必要がありません。株式会社では定時株主総会の終結後、遅滞なく決算公告が必要ですが、特定有限会社では必要ありません(会社法440条)。


 一見すると、特例有限会社のままでもメリットがあるように感じます。しかし、迅速な意思決定による競争力の強化のため、持ち株会社体制に移行しようとしても、有限会社のままでは、その手法の一つである株式交換や株式移転を採用することができません。


 以上のような違いがあるため、それぞれのメリット・デメリットを比較して、どちらの会社形態が会社の規模や今後の事業展開に則しているかを検討されてはいかがでしょうか。


 特例有限会社から株式会社への移行をするには、株主総会の特別決議で定款を変更し、株式会社の設立登記と特例有限会社の解散の登記を行うことになります。ただし、ご注意頂きたいのは、一度株式会社へ移行してしまうと、二度と有限会社に戻ることはできないということです。


(岩本直也、名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

名南コンサルティングネットワーク

名南コンサルティングネットワーク

東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。

GoogleAD