第22回:従業員のSNS利用に潜む企業リスク

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第22回:従業員のSNS利用に潜む企業リスク

2014年4月28日

 今回は、連日のようにニュースで取り上げられている、従業員によるフェイスブックやツイッターによる不適切な投稿の問題を考えてみたいと思います。


 フェイスブックやツイッターといったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)は、手軽にコメントや写真を投稿できること、ネットワーク上のつながりによる拡散性などが注目され、スマートフォンの浸透とともに急速に利用者が増えてきました。ところが最近は、大手フランチャイズのコンビニ店員や大手飲食店チェーンのアルバイト店員が商品用冷凍庫に入った写真を投稿したり、小売店のレジ対応をした従業員が有名人の購入レシートの写真を投稿したりといった、不適切な投稿が後を絶ちません。


 たとえば、先のコンビニ店は、本部からフランチャイズ契約を解除され営業ができなくなってしまったり、大手飲食店チェーンは、当該店舗の廃業とともにアルバイト店員に対する損害賠償請求をする意向を発表するなど、影響は決して小さくありません。しかも、これらの不適切な行為や投稿は、もはや従業員個人の問題ではなく、従業員の所属する企業のモラルそのものだという見方をされてしまいます。


 ではなぜ、このような問題が起こるのでしょうか。その原因は、(1)スマートフォンから簡単に投稿できるという気軽さから、自身の投稿に対する自制心が芽生えにくいこと(2)自身の投稿が社会とつながっていて急速に拡散する可能性があるという意識が薄いこと、にあるのではないかと思います。


 また、このような不適切な投稿をするのは、アルバイトを中心とする若年層が大半であり、企業に対する帰属意識や職業倫理を備えていないことも多いと思います。とはいえ、会社が従業員の個人的なSNS利用を完全に制限したり、監視したりすることは、個人の表現の自由やプライバシー保護の観点からしても、不可能であるといえます。


 従って、企業が取れる対策としては、従業員のSNS利用に関する指針などを策定し周知させるのとともに、定期的に従業員(特に新入社員やアルバイト従業員)教育としてのコンプライアンス研修などを行うことによって、個々の従業員のモラルを養っていくことが必要だといえます。


(小谷祥、名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

名南コンサルティングネットワーク

名南コンサルティングネットワーク

東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。

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