第91回:女性ドライバーが多い会社ほど元気がいい

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第91回:女性ドライバーが多い会社ほど元気がいい

2016年11月 6日

【質問】わが社は現在、女性ドライバーが1人在籍しています。今後、積極的に女性ドライバーの採用を増やしたいと考えています。女性ドライバーが活躍している会社は、働きやすい職場づくりのために、どのような工夫をしているのでしょうか。


 我が国の労働人口が減少の一途をたどる中、就業者数のデータを見ると男性が漸減傾向、女性が漸増傾向を示しています。一方、「人手不足」を最大の経営課題とする運送業界の現状を見ると、女性ドライバーの比率は低く、大型トラックドライバーでは2%程度にすぎない状況です。


 現在、政府や全ト協が女性活躍推進に力を入れていますが、運送業界が安定的に発展するために女性の活躍がキーポイントになるのは間違いありません。私が訪問した運送会社の中にも、女性がイキイキと活躍している会社があります。


 小型トラックで化粧品や雑貨の配送を行っている関西の運送会社は、女性ドライバーをメーンの戦力としています。同社社長は女性の細やかな気配りが配送先から大変喜ばれていると言われていました。また、九州のある運送会社では、運行管理者資格を持つ女性社員が男性よりも多いと聞きました。私が講師を務めた社内勉強会では、女性社員の積極的な発言が目立ちました。


 運送業で女性が活躍している会社を見ると、ある共通点に気が付きます。経営者はロッカーやトイレ、休憩室の整備など、女性が働きやすい職場環境に気配りをしていました。また、女性社員の要望を会議で直接聞き、改善点はすぐに着手。自己申告制度をコミュニケーションツールとして活用していました。一方で、職務中は男性ドライバーと全く変わらず接しています。安全や物流品質に関して注意をする時は男性と同様に厳しく注意をしていました。もちろん、セクハラなどのハラスメント問題が発生する雰囲気は全くなく、皆が自分の役割を自覚して仕事をする社風でした。


 女性に長く活躍してもらうためには育児の支援体制、労働時間の弾力化、帰宅時間の配慮、相談窓口の設置、コミュニケーションの頻度を上げること、全社員へのハラスメント教育の実施などやるべきことがありますが、ぜひ、取り組みを進めていただきたいと思います。これらは職場環境全体の改善につながり、全社員の満足度を上げる効果があります。


 「両立支援等助成金」など国の助成策を積極的に活用して職場の整備を進められると良いと思います。間違いなく、女性ドライバーが活躍している会社ほど元気がいい会社だと言えます。


(コヤマ経営代表 中小企業診断士・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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