第54回:SNSへの対応と社員教育

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第54回:SNSへの対応と社員教育

2015年4月28日

【質問】最近、一部の従業員によるツイッターやフェイスブックなどへの投稿が企業に大きな影響を与える事件が発生し、社会問題化しています。当社としても同様の事態が発生しないよう対策を検討したいと考えています。対策の進め方を教えてください。


 このところ社員による安易なSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)への投稿が企業に多大な影響を与える事件が頻発しています。


 あるホテルの従業員が来店した有名人のプライベートについて投稿し、大きな問題となりました。その後も、ある企業の社員がショーケースの中で寝たり、顔にピザを張り付けたり、パンの上に寝たり、有名人のカード番号やサインが記載された伝票の写真を載せたり、と悪ふざけの写真が次々に投稿され、社会に大きな衝撃を与えました。


 これらの大半は、自分の友達など一部の仲間に知らせる目的で安易に行ったためであり、広く全世界に拡散することまで考慮していないため生じた事件です。現在、SNSが発達し、危機管理の範囲と内容は大きく変化しています。


 では、これらの行為を防ぐために企業は何をすればよいのでしょうか。


 必須の対策は大きく分けると二つになります。社内のルールを規程などに明確に定めて徹底すること。そしてSNSに関する社員教育を行うことの二つです。


 そのためにはまず、自社において、どのような問題が想定されるのかを検討する必要があります。例えば、運送業において想定される問題は、(1)社員が運転中にスマホを操作して投稿(2)荷主から預かった貨物の上に腰掛けるなどの悪ふざけ写真(3)休憩中の飲酒写真(4)アルコールチェッカー不正などの写真(5)乱雑な倉庫内や運転席などの写真(6)荷主に関する内容の投稿──など数多く想定されます。


 一部の社員によるこれらの投稿は、それまでの企業努力を帳消しにして一瞬で悪質企業の烙印を押され、経営が傾く原因になります。想定された最悪の事態に備え、事前に厳しい社内ルールを設定しておくことが重要です。「決して許さない」という強い姿勢が大事です。


 会社によっては勤務時間中の私用によるスマホ・携帯使用を禁止することも考えられます。そこまでは難しい場合であっても、勤務中の携帯による写真撮影(特に施設や人物、貨物、書類が写るもの)を禁じることは考えられます。規定に機密事項の漏えい禁止を記載するだけでは不十分であり、具体的に禁ずる行為を服務規律や行動マニュアルに定めておくべきです。


 ただし、規程やルールを定めただけでは社員の行動を変えることはできません。最も重要なのは、徹底した社員教育です。会議や打ち合わせの場で繰り返し徹底してください。
「個人の安易なメールからSNSを通じて世界に拡散するリスクがある」と強調して伝えてください。また、パートやアルバイトには特に徹底した教育が必要です。勤務している期間は正社員と同様の情報管理が求められます。「思わぬところで足元をすくわれるリスクが目の前にある」と全員が強く認識する必要があります。


(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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