第42回:金融機関に提出する経営改善計画の作り方

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第42回:金融機関に提出する経営改善計画の作り方

2014年11月11日

【質問】金融円滑化法が終了したことで今後の資金調達に不安を感じています。わが社は赤字決算が続いており、金融機関から「経営改善計画」の提出を求められています。どのように作成したらよいか、アドバイスをお願いします。


 3月に中小企業金融円滑化法の期限が到来しました。金融円滑化法は金融機関に対して、中小企業または住宅ローンの借り手から申し込みがあった場合は貸し付け条件の変更などを行うよう努力義務を課したものです。

 この法律が終了したからといって、すぐに貸し渋りや貸し剥しが行われることはありませんが、法律の縛りがなくなったことは事実です。現在、業況が低調または不安定で財務内容に問題がある会社は、より厳しく経営改善の実効性を求められることが予想されます。特に金融機関の格付けで「要注意先」にランクされている会社が要管理債権を抱えた「要管理先」になりますと、経営改善計画の策定が必須となります。そして、経営改善計画に沿った実効策がますます重要視されます。

 経営改善計画は3年以内に経常利益が黒字化するように作成します。そして5年もしくは10年以内に実質的に債務超過が解消するようにします。その後、10年以内には借入金が全額償還可能な計画を立てなければなりません。経営改善計画の作成期間や具体策の書き方については金融機関の指導内容に沿って作成すればよいのですが、最も重要なことは、「実現可能性のある計画」を作ることです。絵にかいた餅のような計画では、決して受理されません。

 運送会社の場合は、貨物量の推移や燃料価格の動向により業績が大きく左右されるため、将来の計画値を作るのは容易ではありませんが、過去の推移と予想によって作成していきます。また、経常利益を3年以内に黒字化するためには売り上げが順調に伸びる計画を立てたいところですが、実現性のない計画は無意味です。例えば、「新規荷主を開拓する」という計画だけでは納得性に欠けます。抜本的な改善計画を求められているので、最初に主眼となるのは遊休資産の売却や経費の思い切った削減になります。場合によっては車両や従業員の削減まで検討する必要もあります。

 自社の強みを生かして、無駄なコストを徹底して省く姿勢が求められているのです。現状分析と今後の取り組み策を列記し、基本方針を立ててB/SとP/Lの長期計画を作成します。金融機関や専門家の助言を受けながら作成されると良いと思います。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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