第4回:ドライバーのコスト意識を高める賃金体系

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第4回:ドライバーのコスト意識を高める賃金体系

2013年7月 9日

【質問】当社は農産物輸送やスーパー配送が主要業務で、長距離、地場配送など多彩な勤務形態があります。近年、燃料費などのコストアップが経営を圧迫しているため、ドライバーに高いコスト意識を持ってもらいたいと思っています。現在、賃金体系の見直しを検討していますが、同業他社では、どのような工夫をしているのか教えてください。


 コスト意識の醸成と生産性向上は、車の両輪のように同時に進めていく必要があります。

 賃金体系の見直しの中でよく行われているのは、個人別実績給の計算方法を、各自の運賃収入から燃料費などの主要コストを引いて計算する方法です。例えば、(売り上げー燃料費ー高速代)×30%などとするやり方です。この場合、燃料費や高速代を節減した額の30%が本人に還元されるため、コスト削減に対する意欲が自然にわいてきます。また、省燃費走行が安全運転に結びつく効果も期待できます。

 ただし、長距離の場合は地場に比較して仕事による運賃格差が大きいことから、実績計算において「社内標準運賃」を使用する場合も多く見られます。賃金計算に使う社内標準運賃は、平均運賃か最低運賃を使うケースが多いのですが、決定した計算根拠は社員に示し、理解を得る必要があります。

 また、コスト意識を高めるために、デジタコの安全運転評価点を賃金に反映する方法も効果的です。点数×100円をデジタコ手当として支給している会社もありますが、より合理的な方法は最低基準点(例えば85点以上など)を定め、クリアした場合のみ評価手当の支給対象にする方法です。その他、燃費向上目標を班別や個人別に定めて達成度合いを競う「燃費コンクール」を実施して効果をあげているケースもあります。

 一方、高速代は使用経路を定め、道路状況を見て運行管理者に報告の上、適切に節約した場合、一定額(半額が多い)を戻す方法が比較的多く見られます。

 コスト削減努力を個人別に数値で把握し、賃金などの処遇に反映することは、コスト意識の向上に大変有効です。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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