第39回:トラブルの多い会社と少ない会社

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第39回:トラブルの多い会社と少ない会社

2014年9月30日

【質問】最近、わが社の近隣でも運送会社で社員とのもめ事が増えていると聞きます。わが社でも時々、小さな問題が発生していますが、トラブルが多い会社と少ない会社の差は、どこにあるのでしょうか?


 運送業界に限ったことではなく、近年は労使間トラブルの相談が増えていることは事実です。トラブルの原因は多岐にわたります。中には当初の小さな不満の種が徐々に大きなトラブルに発展し、結局、収拾がつかない状態に陥ってしまうケースもあります。

 トラブルが多い会社の共通点は(1)「入社時に労働条件や社内ルールについて丁寧に説明していない」(2)「経営幹部と社員とのコミュニケーションが比較的希薄」(3)「人材教育にかける時間が少ない」という点が挙げられます。中でも、「コミュニケーション」が不足すると互いに不信感が募り、疑心暗鬼になる傾向があるようです。多くのもめ事は問題発生時に、すぐ丁寧な説明をしておけば簡単に収束していた内容が大半です。

 一方、トラブルが少ない会社は経営者や管理者がまめに社員に声をかけており、教育や面談の機会を多く設けています。特に、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)が徹底している会社はトラブルが発生しにくいようです。

 社内規定に関しては、一通り整備してあればトラブルの発生頻度が減るとは一概に言えません。ただし、規程が未整備または曖昧であると、双方納得のいく解決ができませんので、トラブルが長引きます。やはり社内規程は早期に整備しておくべきです。トラブル防止に効果的なのは「コミュニケーション」と「教育」です。

 そして、これらを徹底するには「管理者教育」が欠かせません。現在、運送会社の管理者には、自分の作業は得意でも、部下を指導育成することは不得意、という人が多くみられます。その背景には、そもそもコーチングなどの指導法を教えてもらったことがない、指導育成が管理者の重要業務だ、との認識が少ない、という実態があります。管理職に対しては、事故の危険予知だけでなく、労使間トラブルの危険予知トレーニングが必要といえます。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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