第38回:企業のグローバル化への対応

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第38回:企業のグローバル化への対応

2014年9月16日

【質問】取引先の中堅メーカーが海外進出を計画しています。物流体制についても独自に検討を進めているようです。わが社のような中小運送会社は、荷主のグローバル化に、どのような対応をすればよいのでしょうか?


 近年、企業の海外進出が増加しています。従来の生産拠点としてばかりでなく、マーケットとしての魅力から、あらゆる業種でグローバル化が勝ち残りの重要な選択肢になっています。以前は大企業が中心でしたが、近年は中堅中小企業の海外進出が目立ちます。

 海外進出に関する当方への相談件数は、特に最近の2年間で急増しています。相談企業の進出先はアジア、特にASEAN諸国が大半を占めています。相変わらず中国に関する相談が多いのですが、最近はチャイナプラスワンの動きが顕著であり、周辺諸国に企業の関心が移っています。

 相談を受けた件数を国別に見ると、中国、ベトナム、インド、タイ、インドネシア、シンガポールの順で多く、次にフィリピンや韓国、ミャンマーなどが続きます。相談内容は、現地の市場調査や法律、税務面、進出手続きなど広範にわたります。企業のグローバル化の動きは、今後も否応なく加速するでしょう。

 中小運送会社も荷主の海外進出の動きを無視するわけにはいかなくなってきました。いつまでも「国際物流は守備範囲外」と門外漢のままでは、物流のパートナーとして信頼されない時代が既に到来しています。しかし、荷主と共に海外進出するのか...となると、それは多くの中小運送会社にとって現実的ではありません。資金力やノウハウ、情報が足りませんし、リスクも大きいからです。

 国内物流を担う中小運送会社が果たすべき役割は、荷主の海外進出に伴う新たな物流体制の構築に対して、物流のプロとしてアドバイスする仕組みを作ることです。国際物流のノウハウを持つ物流会社と連携して全体の物流システム構築に関与し、自らは国内物流の分野で荷主のきめ細かい要請に応える役割を果たすべきです。そのためには、海外物流事情に関する知識も積極的に吸収する必要があります。物流の良き相談相手となり、さらに存在感を高めることが求められます。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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