第37回:運送会社の経営方針書の作り方

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第37回:運送会社の経営方針書の作り方

2014年9月 2日

【質問】わが社は創業35年になる運送会社です。おかげさまで何とか経営を維持してきました。今後も厳しい環境で勝ち残るために「経営方針書」を作成し、社内社外に提示していきたいと思っています。その場合の作成手順を教えてください。


 地方にある保有車両70台の中堅運送会社で、経営方針に「県内で一番挨拶ができる運送会社を目指す」と掲げている会社があります。この7〜8年で大きく売り上げを伸ばしている会社です。その会社との付き合いはもう10年以上になりますが、訪問するたびに社員の笑顔と挨拶が増している気がします。

 社長は大変勉強熱心で、役に立つものは何でも吸収しようとしています。他社の参考例などをお話しすると前のめりに食いつくような姿勢でメモを取られます。その会社では毎年、「経営方針書」を作成しています。一般的に「経営方針書」は「経営計画書」とほぼ同じ内容です。社内および社外に会社の方向性を定量的、定性的に明示するものです。社外にも打ち出した以上は、それを実行するしかありません。

 常に経営方針書に記載した行動目標と業績達成目標を規範にして指導を行っています。内容は(1)基本理念(2)経営方針(3)今期(次期)経営計画(4)5か年経営計画──までは通常の経営計画書と同様です。経営方針書は、そのあとに(5)今期の社内行事(6)安全教育予定表(7)部門別方針──と続きます。

 特に、この「部門別方針」が重要です。会社全体の経営計画を達成するためには各部門の目標達成構造が明確になっている必要があるからです。「わが部門の数値目標」「わが部門の役割と目標達成の方策」「わが部門の重要課題と主担当者」などを一般貨物部門、引っ越し部門、倉庫部門、新規開発部門、総務経理部門など社内全ての部門が作成します。

 部門別方針は数字を入れて具体的な記述とし、必ず対策を実行するために責任者を決めて記載します。その作業は幹部研修の中で作ると社内に価値が共有化され、一層効果があります。一般的に業績の良い会社は経営方針書を作っている共通点があります。成功している会社が導入している経営手法を真似るやり方が、成功する会社になるための早道といえます。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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