第36回:給与改定に伴う社員説明用資料の作り方

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第36回:給与改定に伴う社員説明用資料の作り方

2014年8月19日

【質問】当社は現在、給与体系の見直しを実施する予定で準備を進めています。変更にあたり、社員向けに説明会の開催は必要でしょうか? また、その場合、社員説明用の資料をどう作ればよいのか教えてください。


 経営環境の変化による経営状況の悪化、毎年のように行われる労働法改正、近年の労務監査強化などを背景に、最近は給与体系の見直しを実施する会社が増加しています。給与体系の見直しは一部に不利益変更を伴うことも多く、会社側が一方的に労働条件を変更することはできません。合理的で納得性のある改定を検討し、社員に対してよく説明する必要があります。

 この手順を省くと後日、無用なトラブルを引き起こす原因にもなります。社員説明用の資料は詳細に作るケースもありますが、一般的に中小運送会社が作成する場合は、要点を数枚に簡潔にまとめる作り方をしています。内容として盛り込む事項は特に決められているわけではありませんが、一般的には(1)物流業界を取り巻く経営環境と見通し(2)わが社の現在の経営状況(3)給与改定が必要となる理由(4)改定の実施日(5)改定の骨子(基準内賃金の構成、基準外賃金の構成、経過措置など)(6)新給与制度について(改定箇所を中心に説明)(7)給与制度新旧対比表──の順番で記載しています。

 説明時に注意すべき最重要事項は、なぜ給与改定が必要になったか、の説明です。「会社の経営が厳しいから給与を引き下げます」という説明では、社員は到底納得しないでしょう。例えば、業績に応じた体系に変更するのであれば、「従来の体系では頑張っている社員が適正に評価されなかった」あるいは「一人ひとりの貢献度を直接反映できる仕組みに変えて、仕事のやりがいを高める」などの説明が必要になります。社員には、給与の引き下げが目的ではないと明確に伝える必要があります。そして、既存の労働条件を考慮した経過措置の導入による激変緩和について十分に説明し、将来の賃金に対する不安を取り除くようにします。

 新しい給与規定や就業規則(変更がある場合)の改定箇所についても、同時に説明しておきます。社員説明会は事業所ごとに実施するケースが一般的です。社員説明会の後で同意書を取り付ける手続きに入ります。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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