第27回:人財育成が最大の勝ち残り戦略

連載トップへ

第27回:人財育成が最大の勝ち残り戦略

2014年4月15日

【質問】運送業で元気な会社と、そうではない会社の差はどこにあるのでしょうか。当社では社員のレベルアップに力を入れています。同業他社の取り組みを教えてください。


 「うちの社長はとても厳しいです。でも、それだけにやりがいがあります」。これはある会社の女性ドライバーの言葉です。その会社は関東にあり、社員のあいさつやマナーに大変厳しい会社です。会議や研修はいつも起立、礼から始まります。発言者は必ず立って、大きな声で所属と氏名を述べてから発言します。また、全員のデジタコ安全運転評価点と燃費、車両整備点検結果を社内に掲示し、毎日徹底して指導しています。この会社は連続して安定した収益を維持しています。

 また、東北のある運送会社は毎月第3土曜日に地元ホテルの会議室を丸一日借りて幹部研修を実施しています。研修内容は原価管理や業務改善、部下指導など幅広いテーマです。20人ほどの管理職がグループに分かれて真剣に討議しています。60歳を過ぎた社長は「幹部の教育が一番大事です。人材教育には金をかけています。いくらやってもこれで良いということはありません」と言われます。社長は同業者の会合にはほとんど顔を見せない人で、一見近寄りがたい雰囲気を持っていますが、現状を常に見直し、改革する経営手法で業容を拡大し収益を伸ばしています。

 現在、運送業の厳しい経営環境下でも元気な会社は各地に存在します。共通点は社員を「人員」ではなく、「人財」としてとらえ、「人財教育」に力を入れている会社です。東京のある社長は「会社を元気にしたいなら簡単です。あいさつを徹底すればよいのです」と言われます。また「取引先より社員のことを最優先で考えるようにすれば、自然と会社が元気になってきます」と、お客様第一ではなく、社員第一でやっていると公言しています。

 運送業界は経営の舵取りに苦労されている会社が多いのですが、元気な会社と、そうではない会社の差は「社員力」の差かもしれません。人財育成が最大の勝ち残り戦略だと思います。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

過去の連載記事

連載トップへ
 

筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

GoogleAD