第19回:事故をなくす洗車の効用

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第19回:事故をなくす洗車の効用

2014年2月 4日

【質問】わが社では現在、全社で品質向上運動を進めています。選ばれる運送会社になるため、無事故の推進とあいさつなど接客マナーの向上が不可欠と考え取り組んでいます。他社のこのような取り組みで成功事例などがあれば教えてください。


 最近、物流品質向上に真剣に取り組む運送会社が増えました。以前は「あまりうるさいことを言ってもドライバーが嫌がるだけだ」と公言する社長もいましたが、今はすっかり様変わりしました。その背景には、荷主のみならず法律や規制などの社会的な要請と経営の危機感があると思います。現在、無事故とマナー向上に力を入れて社員教育をしている会社が多く見られますが、いずれも簡単にはいかず、どの経営者も悩みはつきません。

 ある地方都市に、10年以上前から懇意にしていただき、時々情報交換をさせていただく会社(K社)があります。K社は、初めてお会いした時から車両100台超の現在に至るまで、一貫して営業収益を伸ばしている大変優秀な企業です。「経営には仕組みづくりが必要」と話す経営者の戦略的思考には、私も学ぶところが多くあります。その企業は毎月、全員参加の研修を行っています。過去には無事故推進のために考えられる、あらゆる教育を行い、小集団活動も進めてきました。それは確かに、それなりの効果がありました。しかし、現在取り組んでいる「洗車の徹底」の効用ほど目覚ましい効果はありませんでした。

 K社では、全員で定期的に会社の近所を清掃する取り組みを行う一方、営業車両はほこりひとつない状態に維持することを徹底しています。班別に洗車点検管理者を任命し、定期的な点検と抜き打ち点検結果の報告を義務付けています。

 一方、洗車の優秀な社員は毎月表彰しています。このような取り組みの結果、物をきれいにして大事にする習慣が定着し、その効用は無事故や社員のレベルアップに現れました。安全運転の意識が高まり、全員が無事故・無違反を継続しています。また、取引先での接客態度が見違えるように向上し、ある荷主からは、ドライバーの清掃活動に対し感謝状を頂くほどに社員のサービス精神が高まりました。「洗車の徹底」が、これだけの意識改革につながった事例だと思います。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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