第18回:車両を乗り換える運転職の賃金関係

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第18回:車両を乗り換える運転職の賃金関係

2014年1月21日

【質問】現在、賃金体系の改定を検討しています。運転職の賃金は実績貢献度に応じた体系にしたいと考えていますが、日々車両を乗り換えるため、運転職個人の実績が把握しにくい状況です。車両を乗り換える場合の運転職の実績給は、どのように組み立てればよいでしょうか?


 運転職ごとに責任車両を決めて1車1人制で運営している会社の場合は、月間運賃収入や燃料費などの経費が個人別に管理できるため、業績給の設定や管理が比較的容易です。しかし、ご質問の会社のように責任車両を決めず、車両乗り換えで車両別生産性の極大化を目指している会社の場合、運転職個人ごとに実績管理をすることが困難です。

 このような会社の中には、結果として給料を固定給(定額残業を含む)で支給し、配車に不満を訴える社員が出てきたこともあります。車両乗り換えでも伝票や日報で細かく管理をすれば、実績把握は不可能ではないのですが、給料計算のために、そのような手間をかける意味はありません。

 そこで通常は、運転職がその日(もしくは半日)に担当する車両や業務の内容に応じて3段階から4段階の日別実績手当を設定する方法をとります。手当設定の基準は、その業務にかかる(1)標準的な拘束時間(手待ち時間が長くないか? 運転時間はどうか?)(2)立寄り件数や配送先数(荷積み荷下ろしの作業が何回発生するか?)(3)作業内容(手積み作業、陳列、据え付け作業など手間のかかる作業があるか?)(4)技術(運転、作業等に特殊な技術が必要か? 熟練が必要な業務か?)の4項目の観点で全業務を難易度別に分類します。乗務車両の車種別に手当Aから手当C(もしくはD)まで設定します。この場合、時間外勤務が発生する業務の場合には、定額時間外手当相当を組み入れて手当金額を設定します。「車両・業務別手当表」ができたら、社員に説明の上、同意をとる手続きを行います。

 今日は2トン車で難易度の高いC業務だから4000円、明日は4トン車で楽なA業務なので3500円、というように車種だけでなく業務内容を見て決めることが重要です。半日業務の場合は半額手当とします。また通常勤務以外に別途運行を指示する場合は、1割増手当とすることもあります。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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