第17回:成功する経営者のタイプについて

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第17回:成功する経営者のタイプについて

2014年1月 7日

【質問】昨年、先代から家業の運送会社を引き継ぎました。努力して事業を発展させたいと思っていますが、運送業で成功している経営者はどのようなタイプでしょうか? 経営者の心構えなどを聞かせてください。


 九州に一代で運送会社を地場中堅規模にまで発展させた経営者がいます。その人は毎日、中古の小さな乗用車で出勤しています。運送業の経営者は概して車好きの人が多く、マイカーは高級国産車、または外車に乗る人が多いので、大変意外な感じを受けました。私が理由を聞くと、社長の答えは「社員が見ているから」でした。普段、コスト意識の徹底を指導している自分が、高級車を乗り回していたら社員がどう思うか、と言われたのです。

 また関西地方に、やはり一代で保有車両100台超の規模にまで発展させた経営者がいます。その社長は大変質素な生活を送りながら、社員の賃金を上げることを考えています。また全社員に一日一声かけることを目標にしていると話してくれました。

 一方、財務内容が極めて厳しく、再建を協議している会社がありました。この会社の社長室には、社長の趣味である骨とう品や陶器類がたくさん置いてありました。高級そうな絨毯が敷いてあり、来客者はスリッパを脱いで裸足で社長室に入らなくてはなりません。社内で一番大きい部屋である社長室で経営再建の対策を話し合いました。しかし、このような会社で社員に痛みを共有させることは不可能でした。

 私が見てきた成功企業の経営者には様々なタイプがありますが、共通しているのは会社を個人の所有物とは考えていない点です。また、社長の態度や言動が社員の士気に大きな影響を与えることを自覚している点です。

 運送業を取り巻く経営環境は激しく変化し、勝ち残るためにはスピード感のある意思決定が不可欠です。社長には、自ら研究し、素早く判断することが求められます。経営の意思決定はワンマンで、経営の目標は社員の安全と生活の安定とすることが成功する経営者の心構えだと思います。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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