第16回:車両別日計管理について

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第16回:車両別日計管理について

2013年12月24日

【質問】わが社は2トン車中心に28台を保有し、主に家電の配送を行っています。今までは全社コストを月単位で管理してきましたが、収支トントンの状態が続いており、今後は車両別の収支を毎日管理することを検討しています。どのように進めればよいでしょうか?


 「どんぶり勘定」という言葉は最近あまり使いませんが、いまだに社長の勘だけで運営している会社を時々見かけます。これからの運送業は車両別の損益管理を行わないと、自信を持って運賃交渉ができず、新規開拓の際に合理的な運賃の判断ができません。また近年、燃料などのコスト高で1車両ごとの利幅が極端に薄くなっており、社員のコスト意識向上は待ったなしの状態です。自らの責任車両が儲かっているのか赤字なのかを常に意識し、自らコスト管理に取り組む社員を育成する必要があります。車両別損益の把握は運送業の収支管理と社員教育に不可欠といえます。

 最近はデジタルタコグラフや車載端末の普及などで月間車両別損益を管理している会社が増えてきました。しかし、日計管理まで実施している会社はまだ少数派です。日計管理の最大のメリットはリアルタイムで損益管理ができ、問題点の把握と対策にスピード感がでることです。

 管理手法自体はむずかしいものではなく、管理会計の基本的な考え方に沿って行います。あらかじめ各コストの計上基準(単価設定など)を決めて毎日の車両別売り上げや走行距離、燃料給油高、高速使用料などを計上していきます。固定費については企業の管理方針により違いがみられますが、例えば、償却年数を実際の使用期間より抑え目に設定、あるいは保険料を優割ゼロの定価で設定するなど、少し厳しめに管理して、確実な収益体質を目指す会社もあります。

 管理会計は管理のための手法なので、決算の財務会計とは必ずしも一致しませんが、日々の収支状況を即座に把握するために最も効果的な手法です。

 最近は日計管理に使える管理ソフトが販売されていますので、導入を検討されてもよいと思います。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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