第15回:居眠り事故を防止する日常の対策

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第15回:居眠り事故を防止する日常の対策

2013年12月10日

【質問】関越道での高速ツアーバス事故以来、わが社でもドライバーの居眠り運転事故に対する防止策を強化する必要があると考えています。どのような観点で進めていけばよいのでしょうか?


 居眠り運転による悲惨な事故が社会に大きな衝撃を与え、居眠り防止策への取り組みを真剣に考える会社が最近増えています。拘束時間や運転時間、休息期間などの法令順守が前提となりますが、そのほか日常での対策としては、(1)ドライバー教育の中で「睡眠と休養の重要性」および「休息期間の過ごし方についての注意」を繰り返し伝えること(2)健康状態を常時把握する。特に健康診断を適切に実施するとともに、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けさせ、治療が必要な場合は確実に受診させること(3)日常の状態を観察し把握しておく。少しでも普段と違い、おかしいと感じたら本人によく確認すること(4)普段からコミュニケーションを取り、体調について気軽に相談できる雰囲気を作っておくことが重要です。

 また、水際で防止するために、点呼の段階で食い止める必要があります。点呼は当日ドライバーと接する最後のタイミングであり、点呼の場面でドライバーの状態を注意深く確認することが大事です。このとき「体調は大丈夫か?」と聞くだけではなく、「昨夜飲酒をしたか?」「何時に寝て何時に起きたか?」を聞き、目は充血していないかを観察することが重要です。毎日質問の仕方を変えて確認作業がマンネリにならないように工夫するとよいでしょう。

 運行中においては眠くなりやすい時間帯(午前4〜6時ごろ、および午後1〜3時ごろ)を狙い、コミュニケーションを取るなど、意識を覚醒させる工夫をすると効果があります。また、目的地到着前にほっとして事故を起こすことが多いので、この時間帯に会社への連絡を義務付け、注意喚起することも検討されるとよいでしょう。

 眠気を感じてからではなく、眠くなる前に休憩を取るようドライバーに徹底してください。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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