第13回:委託する運送会社の見極め方

連載トップへ

第13回:委託する運送会社の見極め方

2013年11月12日

【質問】当社では今後、運送業務を地場中心に特化し、現在ある長距離輸送を全て傭車に任せる方針です。傭車比率を高めるにあたり、委託する運送会社を見極める判断基準を教えてください。


 既存荷主の業務を委託するパートナーを決める際は、何よりも質が高く、安心して任せられる会社を選択する必要があります。自社で運ぶ場合と同等の品質が求められるからです。指定車両の運転ができる、事故が少ない、価格が安い、という基準だけでは不十分で、届け先でのはっきりした言葉遣い、清潔な服装、丁寧で好感を持たれる対応などが、委託先選定の条件となります。つまり社員教育がきちんとなされている会社を見極める必要があるわけです。

 運送会社を外から見極める方法は、(1)あいさつ...来客時に事務所内全員が立ち上がりあいさつする会社は、はずれがありません。経営が安定し十分教育されています。

 (2)整理整頓...わかりやすいのは玄関まわりです。靴が乱雑、来客用スリッパがない、貼り紙が古い、ごみが落ちているような会社は、委託しないほうが無難です。次に運転者の控室を見て、雑誌類が散乱、たばこの吸い殻が落ちている、などで社員の質がわかります。トイレが清潔な会社は、仕事が丁寧でミスが少ない傾向があります。

 (3)車...駐車してある車両を見ると会社のこだわりがわかります。よく洗車された車両が整然と駐車してある会社は車を大切にし、荷物の取り扱いも丁寧です。コスト意識が浸透しており、事故防止に対する意識も高いといえます。汚れた車両が複数見られる会社は商品事故を起こしやすい傾向があります。取引しないほうが無難です。

 (4)スピード...車両のスピードではなく、返事のスピードで判断できます。報告のレスポンスが良い会社は仕事に意欲的で提案能力も高い傾向があります。連絡、報告のスピードが遅い会社は、現在、価格が安く事故が発生していなくとも近い将来、大きな問題を引き起こす可能性があり、避けたほうがよいでしょう。

 (5)方針明示...代表者の経営方針が社内のいたるところに掲示してある会社は、社員教育が徹底されている傾向があります。ただし、経営方針通りに社員が動いているかどうかを併せてみる必要があります。方針と現状が違う会社は要注意です。社長の管理が不十分です。自社のパートナー会社を選ぶときは、注意深く観察してから決定することをお勧めします。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

過去の連載記事

連載トップへ
 

筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

GoogleAD