第12回:採用時に徴求する書類

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第12回:採用時に徴求する書類

2013年10月29日

【質問】わが社では現在、社員の採用にあたり履歴書と免許証(写し)だけを徴求しています。最近、労使間のトラブル防止の観点で採用時の書類が重要だと聞きました。入社時に、どのような書類を徴求しておけばよいでしょうか?


 履歴書や住民票記載事項証明書、免許証写しなどは採用時に徴求している会社が多いと思います。就業規則に誓約書、身元保証書、健康診断書、卒業証明書などと記載されている会社も多くあります。ただし、運送会社で実際に誓約書や身元保証書などの書類を徴求している会社は、私の経験では全体の3割程度です。労務トラブル防止の観点から採用時に徴求する書類は各種ありますが、特に重要なものは次の通りです。

 (1)労働契約書...書面で取り交わしていない会社がいまだに多く見られます。ポイントは会社の実態に合わせて明確に記載することです。業務内容を職種限定しないで将来の弾力的な配転を可能にする、賃金に固定残業などがある場合はその旨を明確に記載しておくなど、後日のトラブルを防止する観点で作成し、本人の署名をもらっておくべきです。

 (2)誓約書...将来のトラブル防止に役立ちます。特に、業務外でも酒気帯び運転禁止、秘密保持の誓約、過失事故発生時の本人負担の有無、採用時申告した内容に虚偽がないことなどを記載し、確認の署名をとることが重要です。

 (3)身元保証書...保証人は一人で十分です。資力に劣る人でも結構です。保証人の条件を厳しく限定すると社員の採用ができなくなります。ポイントは5年間有効と明記すること、保証人に直接、意思確認しておくことです。

 (4)運転記録証明書...採用判断の際に過去の事故歴や違反歴を書類で把握しておくことが大事です。運送会社では必須の確認書類になります。

 (5)退職証明書...前職の退職時期や退職理由などを再確認したい場合が生じたとき、本人確認の上、書類で徴求することも採用判断に役立つことがあります。

 (6)マイカー通勤誓約書、保険付保の確認...社員の通勤途中の事故でも会社の運行供用者責任が問われます。通勤初日までに必ず確認、徴求しておきます。一方、マイカー通勤管理規定の整備も必要です。

 (7)健康状態の確認...運転業務を任せることができる健康状態か確認する必要があります。申告書を徴求して確認している会社もあります。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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