第10回:本社事務、物流センターの評価制度

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第10回:本社事務、物流センターの評価制度

2013年10月 1日

【質問】わが社はドライバーの事故を対象にした賞罰制度があるだけで、特に評価制度はありません。これから全社で評価制度を導入したいと考えていますが、特に物流センターや本社事務員の評価制度について悩んでいます。運送会社では一般的にドライバー以外の社員をどのように評価しているのでしょうか?


 中小運送会社では、明確な評価制度を導入している会社はまだ少ないのが実態です。社長が自分の裁量で、「特別手当」などの名目で社員の賃金を調整しているケースをよく見ます。

 ただし、会社が家業から企業に変化する過程で、明確な評価制度が必要になる段階が必ずきます。このとき、ドライバーの評価制度は個人の売り上げやコスト、事故などが数値で把握できるため、比較的イメージしやすいのですが、事務員やセンター業務の社員らは評価の仕方が難しいという声をよく聞きます。運送会社では全社員を同一の評価表で評価するよりも、職務別に実態に合った評価表を作るほうが運用しやすいようです。

 大企業の物流子会社では「規律性」や「積極性」「責任性」などの考課要素で、全社統一して運用する会社が見られますが、このような一般的な職能給型評価制度は考課者訓練のステップが不可欠になります。中小運送会社では、行動レベルで期待通りのことができたかどうか、を評価する考課表のほうが納得感があります。

 例えば、事務員では「来客や電話の応対は丁寧に気持ちよくできましたか」「事務ミスや連絡ミスなどはありませんでしたか」「いつも期限までに正しく処理できましたか」など、会社が当たり前に期待していることを、そのままの表現で記載するほうが自己評価しやすいのです。センター業務の社員では「ピッキングミスなどの作業ミスはありませんでしたか」「フォークリフトやセンター内作業での事故や破損はありませんでしたか」などの表現が入ります。

 一方、管理者や配車担当、物流提案を担当するSEなどの専門社員では、行動レベルの項目よりも、担当部署と個人それぞれの目標を設定して目標達成度を評価する、目標管理制度の仕組みにしたほうが良いでしょう。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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