第1回:ドライバーのコスト意識を高める賃金体系

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第1回:ドライバーのコスト意識を高める賃金体系

2013年6月 4日

【質問】当社は、主に地元スーパーから食品や雑貨の配送を請け負っています。38人の運転者のほかに、倉庫社員が15人、パートが30人います。運転職の賃金は歩合を中心に計算していますが、そのほかの社員は採用のつど適当に決めたため、整合性のない体系になっています。事務員や配車担当者、庫内作業員の賃金を整備したいのですが、どのような体系が良いのでしょうか?


 運送会社の場合、運転職の賃金体系と事務職など、その他職種の賃金体系は大きく異なることが一般的です。運転職が歩合給中心であるのに対し、事務員や配車係は固定給と時間外手当で支給することが多いです。ただし、庫内作業員の場合は、事務員と同様の支払い方法のほかに、運転職と類似した実績給を導入することがあります。例えば入出庫個数や取扱高をもとに出来高計算するやり方です。ただし庫内作業は運転職と違い、個人別の実績把握が困難なため、センターごとに計算し、それに毎月のピッキングミスなど作業事故の有無を反映して決定する方法がとられています。

 事務職や庫内作業、運転職とでは賃金体系が異なりますが、同じ会社の社員であり、健康状態や適性などの理由で配転する可能性を考慮すると、基本給は最低賃金程度の水準で一本化する方法をとります。この場合、年齢や勤続などの年功序列型基本給にはせず、役割に応じて昇給する体系が望ましいといえます。つまり、基本給に加えて職務の役割に応じた職務手当(職務時間外手当としてもよい)や役割手当(役割時間外手当)で支給することになります。

 なお、時間外手当については定額で支給することも可能です。定額時間外手当にするか、その都度、時間計算をして支払うかは会社の実態に応じて判断します。いずれにしても時間管理は必要になります。

 また職種に関わらず、できるだけ評価手当を毎月の賃金に組み入れると良いでしょう。前月の目標達成度や事務ミス、作業ミス、配車効率などの実績評価を反映することで、高い緊張感と達成意欲の向上に結びつくことがあります。

(三井住友海上経営サポートセンター長・中小企業診断士・証券アナリスト・日本物流学会会員・小山雅敬)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

コヤマ経営
小山 雅敬氏

小山雅敬

昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。

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