リーダー・上司の『最高のチーム』をつくるシンプルな仕掛け(黒岩禅・著、こう出版)

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リーダー・上司の『最高のチーム』をつくるシンプルな仕掛け(黒岩禅・著、こう出版)

2009年11月 3日

 TSUTAYAの最優秀店舗を決める「TSC(ツタヤ・スタッフ・カンファレンス)」で、自身がマネージャーを務める店舗をグランプリに輝かせた経験を持つ黒岩禅氏。そのマネジメントの極意がまとめたのが「リーダー・上司の『最高のチーム』をつくるシンプルな仕掛け」だ。


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 笑顔が印象的ないまの同氏の姿からは考えにくいが、序章で語られているとおり、以前は部下を怒鳴り散らす、怒りまくるという、『北風と太陽』でいうところの「北風のマネジメント」の店長だったという。

 しかしある出来事をきっかけに、部下に歩み寄り、部下を認め、ともに目標へと向かう「太陽のマネジメント」に変わった。同著では、「関心を持つ」、「話を聞く、伝える」、「価値観を合わせる」、「仕事を教える」、「失敗を活かす」、「結果を評価する」、「上司力を高める」、「夢をかなえる」の章に分け、同氏が自ら「変わる」なかで体得してきた「仕掛け」が紹介されている。たとえば、一つ目の仕掛けは「部下のフルネームを漢字で書けるようにする」。

「『ウチは家族的な会社だから』と言っている社長さんほど、いざ社員のフルネームを聞くと答えられない。家族のフルネームが答えられないわけはないのに。根本的に、人は『必要とされたい』という欲求を持っており、名前を正しく覚えるというのはこれをかなえる基本。当社では、社員の名前を書くのに略字を使うことも禁止している」

 読み進めるうちに感じられるのは「部下への愛」だ。まずは部下をあるがままに受け入れ、その上でチームや部下を成長させられる策を考える。とはいえ、「いつも提出期限が遅れる、あるいは提出を忘れてしまう部下」に対して、「それを認めた上で、その部下に応じたオーダーメイドの指示を考える」というのは、いささか「迎合しすぎ」のようにも思えるが...。

「待っていても優秀な人材がたくさん来るような大企業ならまだしも、中小企業は社員を『できる/できない』で判断してはダメ。『良い人を選べない』ということを認識して、入社してくれた人を大切にしなくてはならない」

 もちろん、部下の「言いなり」というのではない。「太陽のマネジメント」となった今も、部下を怒鳴ることは日常茶飯事だという。

「ただ、怒鳴る理由は変わった。昔は、自分の思うように部下が動いてくれず、気に食わないから怒鳴っていた。今は部下が間違ったことをしたら『なんでそんなことしたんや』と悲しい気持ちになって怒鳴る。部下のことを思って、真剣に叱れるようになった。逆のことを言うと、部下に嬉しいことがあると、自分も本気で嬉しく思える」

 「同じチームの仲間と、一緒に夢を見たい」と語る同氏。「仕事は楽しいもの」をモットーとしており、中小企業を中心に「仕事楽(しごとがく)」の考えを広めていく構えだという。

「上司が楽しく働いていないと部下も楽しくない。では、上司が楽しいことは何かと言えば、部下が成長してくれること」

 なお、同著では、「最高のチーム」を「チームに集う一人ひとりが、リーダーを中心に、協力し合い、認め合い、励まし合い、お互いが仕事を通して成長できるチーム。昨日よりも今日、今日よりも明日、1ミリずつでも成長しつづけるチーム。その結果、成果を創出できるチーム」と定義している。さて、あなたのチームはどうですか?

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▼「リーダー・上司の『最高のチーム』をつくるシンプルな仕掛け」、黒岩禅・著、こう出版、1400円

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

株式会社物流産業新聞社
記者M

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