あたりまえだけどなかなかできない集客のルール(岡本士郎・著、明日香出版社)

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あたりまえだけどなかなかできない集客のルール(岡本士郎・著、明日香出版社)

2009年8月 6日

 101個の「集客のルール」を紹介した『あたりまえだけどなかなかできない集客のルール』。著者の岡本士郎氏は、「いまは商品に差がなくなってきた。運送で言えば、『早く、正確に運ぶ』というのはもはやできて当たり前。それでは、どこで勝負するのかというのを伝えたかった」と語る。同氏は大手の住宅メーカーや美容クリニックでマーケティング業務を担当した後、集客・マーケティングコンサルティングを手がける集客支援(株)を立ち上げ、代表に就任したという経歴の持ち主だ。


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岡本氏

 まず、同著内で提唱されているルールは、全て「マーケティング」の理論に基づくもの。詳しくない者にとっては、「営業」との違いが気になるところだが。

「サッカーで例えると分かりやすい。ボールを商品、相手ゴールをお客さんとすると、マーケティングのない会社は、キーパーからロングパスを受けた営業が自分でドリブルで持ち込んでシュートを決めるイメージ。一方、マーケティングがある会社では、それがミッドフィルダーの役割として機能し、営業にスーパーパスを出す。マーケティングをきちんと行うことで、営業が軽くタッチするだけでシュートを決められる(受注)という状態に持っていくのが理想」

 同氏に、101個の「ルール」のうちで、最も大切なものを3つ選んでもらった。まずは「ルール05・集客の『相対性理論』。店Aが49円、店Bが50円でカップラーメンを売っていた場合、100人中99人は店Aに行く―。この「たった1円の差」で、隣の店と集客力に圧倒的な差が出てしまうというものだ。この「たった1円の差」は比喩である。

「サービスでもスピードでも何でも良いのだが、まずは自社にとってのこの『1円』は何なのかを見つけること。なければ作る。集客はそれから始まる」

 同氏は例として、クライアントのロケバス会社を例に挙げる。

「その会社は、ドライバーに制作出身者を揃えていた。ロケ先まで運転した後、ただロケが終わるのを待つのではなく、スタッフ補助にまわるのが売りで、一度発注があったところには高く評価されていた。しかし、接点のないお客さんにとっては『その他大勢』の会社と同じ。そこで、『ドライバーは制作出身』という自分たちの『一円』の部分を積極的に伝えることを始めたら、売上を大幅にアップさせることに成功した」

 2つ目は、「ルール04・遠くの店より隣の店」。「ライバルは最も近くにいる」という理論で、著書の中では「東京都港区の蕎麦屋が北海道釧路市の蕎麦屋にライバル心を燃やすなんてナンセンス」と説明される。

「中小企業にとっては日本一、世界一を目指すより、『隣の会社よりウチはここがすごいぜ』という点を明らかにしておくことが重要」

 そして、同氏は3つめに「ルール73・売ったらしまいは厳禁」を挙げる。「既存顧客のフォローをしっかりしよう」という基本的な考えだ。しかし、これができていない読者企業も多いのではないだろうか。本のタイトルにもある通り、「あたりまえだけどなかなかできない」会社が多い―逆に言えば、「やれば結果が出る(=ライバルと差をつけられる)」とも言える。

「このルールに限らず、いくら本を読んで勉強しても、実行しなければ意味がない。まずは一歩踏み出してみること。『やらないための言い訳』を考えてはダメ。はじめは、お届け先にチラシを配るだけでもいい。そんなに大きなコストがかかるわけでもない。不況だからこそ周りを見て、自分たちを見直して、どんどんアイデアを実行して欲しい」

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▼「あたりまえだけどなかなかできない集客のルール」岡本士郎・著、明日香出版社、1300円(税別)


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

株式会社物流産業新聞社
記者M

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