物流ウィークリーヘッドライン
「荷主の要望にはできる限り応えるべきだ」こう聞くと、ちょっとかっこいいですね。このようなことを言うのは大抵まじめで、一所懸命なタイプの社長さんです。しかし、批判の声を恐れずに言えば、こう言う社長さんのほとんどは儲かっていません。
実は、荷主の要望に応えようとすればするほど、儲からなくなります。とても理不尽なことに思えるかもしれませんが、ぜひ、一緒に考えてみてください。荷主に誠心誠意尽くして、がんばっているのに、あなたの会社が儲かっていないとしたら、もしかしたらあなたも、こんな間違いを犯しているのかもしれません・・・。
突然ですが、あなたはラーメンが好きですか?
「急に何を言い出すんだ」と、怒らないでくださいね。運送会社の経営の話と、とても関係のある話です。ご存知のとおりラーメン業界は、かなり競争の激しい業界です。その中で勝ち残っているラーメン店を分析してみると、いくつかの共通点があります。「私語厳禁」「幼児お断り」「スープなくなり次第終了で、営業時間が短い」「コショウ禁止」などなど、このような厳しい注意書きが、店内に貼られているお店に、あなたも行ったことがあると思います。こちらがお客だというのに、食べるためにやたら細かい条件が多いのです。時には、食べ方について、お客にうるさく指図する店主もいます。こんなラーメン店ですが、なぜか行列ができています。
このようなお店は、決してお客である私たちに、合わせようとはしていません。逆に私たちお客のほうが、寒い日に外で1時間以上も並ぶなど、お店に合わせるわけです。待たされて文句を言うどころか、ありがたがって、喜んで食べるのです。
さて、話を運送会社に戻します。運送会社のあなたは『運送のプロ』のはずです。プロならば、運送について荷主にアドバイスをするべきです。配送事故につながる可能性があるような、無理な要望に対しては荷主を叱ることも必要です。「荷主に反論するなんて、考えられない」、もしかしたら、そんなふうに思われるかもしれません。でも、ちょっと考えてみてください。
何でも言うことを聞くのは、ただの「御用聞き」です。「御用聞き」に払えるのは「お駄賃」です。一方、時には叱ってくれるほどの「プロ」に支払うのが「報酬」です。「お駄賃」と「報酬」では、当然、金額が違ってきます。
あなたが、もし、今まで、一所懸命にお客の要望を聞いて尽くしてきているのに「値下げ交渉をされる」「合い見積もりをとられる」といった悩みを抱えているのなら、「御用聞き」になってしまっている可能性があります。一度、「プロ」として荷主を叱ってみてください。荷主のあなたを見る目が、明らかに今までとは変わってくるはずです。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
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