第359回:あなたは、逃げるのは嫌いですか?

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第359回:あなたは、逃げるのは嫌いですか?

2017年3月 6日

 私がお伝えしている内容に、時々、クレームやお怒りのメッセージをいただくことがあります。特に最近は、「トラックを買うな、減車しろ、人を増やすな」という内容をお伝えしているので、「それは、逃げじゃないのか? 経営者としていかがなものか」というようなご意見が多いです。


 この連載コーナーは、今年で9年目になるのですが、私にではなく、物流ウィークリーさんに苦情が入ることもあるようです。


 私は、本当のことを伝えたいと思っています。その分、嫌われたり批判があるのは承知の上です。読んでいただいた全員の方に「その通りだ」と賛同してもらおうとは思っていないんですね。


 「トラックを買うな、減車しろ、人を増やすな」という戦略は、確かに「攻めか?逃げか?」といったら、逃げの戦略といえるかもしれません。そこであなたにお聞きしたいのですが、あなたは「逃げ」は嫌いでしょうか。


 私は、ビジネスにおいて、場合によっては「逃げ」はOKだと思っています。その方が勝算があるのなら、なおさらのことです。カッコ悪いかもしれないですし、ひょっとしたら、正々堂々と前に果敢に攻めていかないのは「美学に反する」「プライドが許さない」という人もいるかもしれません。


 先日、ボクシングをやっている人に、こんな話を聞きました。世界チャンピオンになるボクサーの共通点についてです。チャンピオンになる人は、みな共通して「ディフェンスがうまい」のだそうです。すごい右ストレートとか、破壊力のあるパンチとか、何かそういう必殺技を持っているということではなく、ディフェンスがうまいというのが、世界チャンピオンになるボクサーの共通点なのだそうです。


 この話を聞いたとき、私は、ビジネスでも同じではないかと思いました。逃げ・守り・カッコ悪い・卑怯な感じ、そういう人もいるかもしれません。しかし、私はビジネスに、プライドとか、美学とかを持ち込みすぎるのは、あまり意味がないと思っています。


 結果が全てです。周りの目を気にしすぎるあまりに決断が遅れ、必要以上に大きな痛手を負って倒産した例を、あなたも今までに身近に見てきたのではないでしょうか。私も見てきました。


 特にトラック20台以下の運送会社の経営には、プライドや周囲の目に縛られることなく、合理的に「勝ち易きに勝つ」という戦略を選択することをお勧めします。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

高橋久美子の「あなたの会社が儲かっていない本当の理由」
高橋 久美子氏

高橋久美子 規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会
http://www.handlecover.com/kaizen/index.html

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