第356回:仕事を請けたら下?

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第356回:仕事を請けたら下?

2017年2月13日

 トラック20台以下の運送会社のための新時代のリーダー戦略について、引き続き話を進めていきます。先週までに、次の三つのポイントについてお伝えしました。


 1、運送業界の現状は、外的要因による一時的な踊り場である
 2、ビジネスの勝ちパターンが変わった
 3、新時代のリーダー像が変わった


 今までのように、先頭を走り、みんなを牽引するのではなく、市場を高いところから俯瞰して、みんなの活躍の場をつくるのが新時代のリーダー像です。


 それでは運送業において「みんなの活躍の場を作る」とは、具体的にはどんなことをすればいいのでしょうか。勘のいい人は、すでに気づいている人もいるかもしれませんが、ズバリ、配車センター業務を行うことです。


 荷主の荷物情報を自分のところに集め、周りの優良運送会社に活躍してもらう。協力会社を増やしていくという方法です。


 おそらく、これを読んでいる人の中には、今までにも自分の会社に来た荷物の情報を、仲の良い同業他社に流した経験があるという人もいると思います。簡単に言うと、この業務を仕組み化して、本格的な日常業務として行うのが、新時代のリーダー戦略です。


 一昔前の運送業界では、同業他社に仕事を依頼することも、逆に依頼されることも、嫌がる人が多かったです。


 「あの会社の下に入るなんて、プライドが許さない」というように、「仕事を請けたら下」というような、なんともおかしな感情をビジネスに持ち込む人もいました。


 また、「うちの仕事は特殊だから、他の運送会社では走れるはずがない」と言う人もいました。しかし、そんなに特別な仕事なら、それだけ特別な運賃をいただいているのですか? とお聞きすると、特別運賃どころか、利益が出ない運賃だということも少なくありませんでした。


 今から冷静に分析すると、実際には「同業他社に仕事を振って荷主を取られたらどうしよう」「こんなに安い運賃では、同業者は走ってくれるわけがない」というのが、本音なのかもしれません。


 しかし、時代が変わりました。異業種からの新規参入が増えた効果もあるかもしれませんが、現代の運送業界では、同業者同士でネットワークを組んで、お互いに効率的に仕事を回し合う実例が増えつつあります。そして今後は間違いなく、さらに情報の共有化が進んでいきます。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

高橋久美子の「あなたの会社が儲かっていない本当の理由」
高橋 久美子氏

高橋久美子 規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会
http://www.handlecover.com/kaizen/index.html

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