第353回:外的要因による一時的な踊り場

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第353回:外的要因による一時的な踊り場

2017年1月23日

 中小運送会社の経営者が抱える悩みは、10年前とはだいぶ変わってきました。以前に比べて、明らかに赤字会社が減りました。仕事はあるけど、ドライバーとトラックが足りない。仕事よりも、協力会社が欲しい。そんな状況にありながら、なぜかみんなが将来に不安を抱えています。


 それは、今の状態が、明確な経営改善によってできた状態ではないからです。今の状態は、たまたまの外的要因によって、一時的にできた踊り場の状態です。外的要因というのは、例えば、次のような要素です。


 ▽2014年の業界大手による運賃値上げ▽ネット通販の急拡大▽高騰期と比較して軽油価格が安い▽オリンピック特需


 これらの要因によって現在、一時的に「仕事には困らない」「どうにか利益も出せている」という人が多いのではないかと思います。


 確かに、一見するとうれしい要因です。しかし、この要因のどれを見ても分かるように、これらは全て自分でコントロールができるものではありません。また、必ず終焉が来るわけです。それがわかっているから、みんな、なんとなく将来に対して漠然とした不安を抱えているというわけです。


 このような状況の中で現在、中小運送会社の経営者は、完全に二極化しています。どんな二極に分かれているのかというと、


 1、リスクを直視しない人
 このままではダメだとわかっていながらも、それでも、どうにかなるでしょうと、リスクに備えた行動を起こさない人


 2、リスクを直視できる人
 このままではダメだ。今すぐ動かなくてはと、行動を起こし始めている人です。


 それでは、今は実際にはどんな行動を起こすべきなのでしょうか。今、すべきことは「新時代のリーダー戦略」です。時代が変わり、リーダーのあるべき姿、リーダーのとるべき戦略が変わりました。そして、ビジネスの勝ちパターンも、一昔前とは違ってきています。


 勝ちパターンを知るためには、実際に、現代で勝っている企業、つまりは、成長している企業の例を見てみるのがてっとり早いです。来週は、現代の代表的な成長企業のビジネスモデルを分析しながら、我々運送業でどのように応用できるのか、一緒に考えていきましょう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

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筆者紹介

高橋久美子の「あなたの会社が儲かっていない本当の理由」
高橋 久美子氏

高橋久美子 規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会
http://www.handlecover.com/kaizen/index.html

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