第333回:辞めてもいいんです(1)

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第333回:辞めてもいいんです(1)

2016年7月18日

 「継続は力なり」。確かにこれは真実です。しかし、当然ですが、なんでもかんでも継続の方が良いというわけではありません。たとえば、誰かが、「仕事を辞めた」「離婚した」「学校を辞めた」「事業を閉鎖した」と聞くとマイナスの出来事のように受け取る人が多いです。辞めた人に対して「何か、継続し難い不都合があったから辞めることにしたのだろう、気の毒に」という見解です。ここでいう「不都合」とは「自分の理想との相違」と定義します。


 しかし、「継続し難い不都合」は、実は誰にも起こっています。「継続し難い」と判断するレベルが人によって違うだけです。


 例えばAさんにとって「継続し難い」と見切るレベルが「不都合レベル70」だとします。ところがBさんにとっては「不都合レベル70」はまだ継続できるレベルです。Bさんは不都合レベル99」に達するまで継続を選択します。一方、Cさんは「不都合レベル30」になったら、さっさと辞めて別の道を模索するタイプです。


 これから、新しいチャレンジをしていくあなたには、覚えておいてほしいことがあります。「継続そのもの」には意味はありません。「継続がもたらす成果物」に、意味があるのです。


 「辞めること」も同じです。「辞めた」という事実は、ただその瞬間の「事象」であって悲観的でもマイナスでもありません。時代の変化が激しい現代においては、不都合レベルが高くなっても、なお継続を選択する人よりも、不都合レベルが低いうちに見切る人のほうが、むしろ成功の確率が高くなります。


 誰かから「なにかを辞めた」と知らせを受けたら、「おめでとう!」と声をかけるほうが、ふさわしいくらいです。


 積極的に選択した継続ならいいのですが、多くの場合、不都合を認識しながらも「決断ができないための、結果としての継続」を、やむなく過ごしているというのが本当のところではないでしょうか。


 どんなことでも「辞める」には恐怖や不安、面倒くさいことが伴います。それでも「辞めた」というのは、「決断した」というだけ前進です。「自分の理想を優先した」という正しい選択です。

 

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筆者紹介

高橋久美子の「あなたの会社が儲かっていない本当の理由」
高橋 久美子氏

高橋久美子 規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会
http://www.handlecover.com/kaizen/index.html

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