第330回:中小企業を救済する支援策

連載トップへ

第330回:中小企業を救済する支援策

2016年6月27日

 昨今のドライバー不足の問題を解消するために、ありがたいことに厚労省が動き出してくれました。中小企業の就業率を上げる改善策を考えてくれました。厚労省が考えてくれた案は、こうです。


 「就業率の低い中小企業は、何が問題なんだろう? あー、そうか! 勤務時間が長くて、給料が安いからいけないんだな」「よし!それなら、労働基準法を改正して、給料を高くしよう!」「有給休暇も、必ずとらせる決まりにしよう!」というわけで、厚労省は中小企業に対する時間外労働に対する割増賃金率引き上げを含む改正労働基準法を国会に提出しました。この改正内容を、すごく簡単に言うと、「残業代を高くしなさい」「長時間働かせてはいけません」「有給休暇をとらせなさい」です。


 ご存知の方も多いと思いますが、「長時間働かせてはいけません」と「有給休暇をとらせなさい」は、今年の4月1日から、実際に施行されています。そして、「残業代を高くしなさい」は、平成31年4月1日施行です。ちなみに暫定猶予期間は設けられていません。法律なので、実施対応しなければ処罰されます。


 中小企業を救済するのが目的のはずが、改定案のおかげで、結局は、中小運送会社にとって、さらに厳しい条件になったというわけです。


 もちろん、これとセットで、国交省はガイドラインによる適正取引の推進や不適正な事業者への指導強化などの取り組みも行っています。


 しかし、日本は資本主義の国です。資本主義の基本理念は自由競争です。企業努力で運賃を下げたり、サービスを充実させている企業をけしからんと言うことはできないのです。今後は個人宅配の細かい荷物が増え、時間指定もますます細分化されることでしょう。付帯作業が増え、さらなるサービスの向上が求められます。消費者は、昨日より今日、さらに便利なものを求めます。この自然な流れを止めることは不可能です。


 トラック20台以下の運送会社は今後、これらの条件を踏まえた上で戦略を練っていく必要があるのです。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

過去の連載記事

連載トップへ
 

筆者紹介

高橋久美子の「あなたの会社が儲かっていない本当の理由」
高橋 久美子氏

高橋久美子 規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。

全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会
http://www.handlecover.com/kaizen/index.html

GoogleAD