物流ウィークリーヘッドライン
「高橋さんの言ってることはわかるけど、それは運送会社の常識で考えたら、無理だよ...」。私の話を聞いて、そうおっしゃる方がいます。そんな時、いつも頭に浮かぶ思い出があります。実は、私は第六級の身体障害者です。先天性内反足症という生まれつきの足の病気です。今では歩くことができますが、2歳で手術をし、小学校にあがるまでは重い「矯正靴」を履いていました。
小学校1年生の運動会のときのことです。私の両親は徒競走でみんなと差がついたらかわいそうだと心配していたようです。ところが、です。このときの徒競走で、なんと私は一等賞でゴールしたのです。両親も周りの大人たちも、それはもう驚いていました。しかし、私も周りの子供たちも、別に驚きませんでした。驚いていたのは大人だけです。そして、私に向かって大人たちはこう言いました。「くみこちゃん、足が悪いのにすごいね」。実は大人にこう言われるまで、私も私の周りの子供たちも、私が一等賞を取ったことを、別に不思議だと思わなかったのです。私たち子供は知らなかったのです。
「足が悪いと、ふつうは他の子よりも早く走れない」、それが常識。ということを知らなかったのです。このとき、もし私が、「私は足が悪いから、一等賞を取るなんて無理だろうな」と思っていたら、一等賞は取れなかったと思います。
どうですか。少しどこかの常識と似ていませんか。「小さい運送会社だから直請け仕事は無理だろうな」とか、「運送会社ではこれは通用しないだろうな」なんて思っていたら、あなたのパワーを100%出すことなんて、できないと思うのです。
常識を知らないからこそ、パワーが出ることってあると思います。逆に、常識があなたのパワーを押さえつけてしまうということも、あると思うのです。
常識なんて、所詮は誰かが作ったものです。誰かが自分の都合を良くするために作ったものかもしれません。また、時代が変われば通用しなくなってしまうものかもしれません。その常識が、あなたに通用するかどうかはあなたが決めればいいのです。最初から全てを鵜呑みにすることなどないという事です。
常識をすべて否定しろと言っているわけではありません。でも、あなたが何かにチャレンジしようとしたとき、一歩前へ踏み出そうとしたときに、あなたの気持ちに、ブレーキをかけてしまうような常識ならば、ときとして、忘れてしまってもいいのではないかと思うのです。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
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