船井総研の「環境ビジネス最前線」

第10回:土壌汚染対策ビジネス(2)

 前回は土壌汚染の市場規模についてお話しました。今回は市場動向についてお話します。
 
 環境省の外郭団体である土壌環境センターの調べによると、平成18年度の土壌汚染対策ビジネスの市場規模は約2,000億円です。平成17年度が1,600億円ですので、昨対比で約120%アップしていることになります。土壌汚染対策に費やされるコストは年々増加傾向です。また、この数字は土壌環境センター会員171社のうち、有効回答数135社をまとめた数字です。市場全体としては2,000億円以上あるといっても間違いないでしょう。

funaiogawa.jpg  さらに細かく見ていきます。受注金額のうち、法令、行政契機による調査が約45億円、自主調査が約146億円、法令、行政契機による土壌汚染対策が約490億円、自主対策が約1,300億円と、自主調査・対策が全体の70%以上を占めています。自主調査・対策の理由は、土地売買における取り組み、ISOなどへの取り組み、土地評価などが挙げられます。

 環境意識が私たちの生活の中で高まる今、不動産売買における土壌汚染の確認・対策だけでなく、ISOやCSRなどの点から環境汚染対策へ取り組む企業が増えている模様です。

 さて、土壌汚染対策ビジネス企業は全企業が増収・増益となっているのでしょうか?いや、そういうわけでもないようです。確かに、企業によっては大きく増収・増益の業様もいます。しかし実際、先の表を見てもわかるように、受注実績の企業数は減っています。

 完全に二極化状態へとなっています。また、増収・増益している企業も安心はできません。価格競争の問題、下請け体質の改善など悩みが多々あります。

では、土壌汚染対策ビジネス企業に将来はないのでしょうか?

そんなことはありません。「資産除去債務」の計上義務化、「建築物解体の増加」、「ますます高まる環境意識」など土壌汚染対策の需要は高まると考えられます。その時にいかに施主である地主企業の資産価値を高められる提案力を持っているかが今後土壌汚染対策ビジネス企業の勝ち組・負け組の要因になります。

 逆に言えば、新規参入であってもこの部分が押さえることができれば勝ち組になれるということです。それでは、勝ち組となる為の「提案力」とは?それはまた次の機会にお話します。

(株式会社船井総合研究所 環境リスクマネジメントチーム 小川 宏明)

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※記事は08年6月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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本コーナーでは、船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループによる リレー連載を掲載します。

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