船井総研の「環境ビジネス最前線」

第42回:食の安全データ

 2008年は「食品における偽装表示」や「毒入りギョーザ」そして「汚染米の問題」など「食」の安心・安全について、関心が高まった年だったと言えます。船井総合研究所は「食」の意識調査として定期的に一般の主婦を対象としたアンケートを敢行していますが、「食の安全について興味があるか?」という問いについて「大変興味がある」と答えた方が昨年から激増しています。とくに「産地を確かめて、国産がどうかを気にする」という方の数が伸びているのです。

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 この世論を受けてJA(農業協同組合)を初めとする産地側も「トレサビリティ」のシステムを導入し、いつでも生産物履歴を追跡できる様にしくみを進めています。「トレサビリティシステム」とはご存知の通り、製品の流通経路を生産段階から最終消費段階まで追跡可能にするしくみで、物流業の方にとっては馴染みにある言葉かと思います。

 実際に某流通業社が数十億のコストを投じて作ったシステムにおいては、GPS機能を使い、野菜や果物を載せたトラックがいまどこを走っているかまでがわかると聞きます。

 しかしながらどうでしょう、この「トレサビリティ」という言葉、その認知は、主婦の方にとっては10%も満たないのです。ましてや実際の管理データを見たことがあるという方は1%以下に留まります。世間では「食の安全を気にする」と答えられる方が多くいるにも関わらず、その「安全性」を管理するシステムについては、きわめて無知なのです。

 では、果たして主婦の方は、何を基準にして、その「食の安心、安全」を見極めているのでしょうか?その答えとして上位に挙げられるのは、小売店の売場から得られる情報や、知人、友人などによる評判なのです。

 驚くことに、主婦にとって信頼性があるのは、データとして纏められた「デジタルの情報」ではなく、口コミで届けられる「アナログの情報」なのです。モノを運ぶ物流業者も、これからは産地のこだわりや個性など、情報を運ぶ時代へと変わってくるのかもしれません。

(株式会社船井総合研究所・楠元武久)

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※記事は08年12月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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