【第9回】偽装請負のチェックポイントと解決策(2)

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【第9回】偽装請負のチェックポイントと解決策(2)

2009年7月13日

 佐藤さんは、佐藤運輸の社長です。佐藤運輸は、請負業者ですが、ある荷主の倉庫で仕分け、入出庫業務を請け負っています。労働局は、佐藤運輸の請負形態が、いわゆる正規の請負ではない偽装請負であると指摘しました。労働局は、直ちに佐藤運輸に請負ではなく、労働者派遣に切り替えなさいとの是正勧告をしました。実は、佐藤運輸は、荷主から業務を直接請け負っていたのではなく、荷主が大手運輸に業務を請け負わせ、大手運輸から業務を請け負っていたからです。いわば、佐藤運輸は二次下請だったのです。佐藤さんは、このままでは会社がつぶれてしまうとの危機感を持ちました。労働者派遣では、二重派遣が認められていないため、このままでは大手運輸が佐藤運輸との請負契約を打ち切ってしまう可能性が高かったからです。それでは、偽装請負について、どのように解決すべきでしょうか?


(1)前号で記載したとおり、偽装請負と認められないように、厚生労働省のガイドラインに従って、契約書や指揮命令を是正することです。

ア:注文主の設備、機械、装置などを無償で使用しているか否か 
イ:請負代金が時間(時給)や日数(日給)で計算されているか否か
ウ:作業者が注文主と同じ名札や名刺を使用していないか
エ:作業現場に作業責任者がいるか
などを、もう一度チェックしてみてください。

(2)労働者派遣への切り替え

適法な請負への整備が難しいのであれば、その場合には、実質が労働者派遣である以上、請負業者は、労働者派遣事業の許可または届出をして、労働者派遣契約を締結しなければなりません。労働者派遣契約を締結した場合は、業務によって、派遣期間に制限がありますし、一定期間経過後は雇用契約申込み義務が発生しますので、その点に注意が必要です。

(3)直接雇用

(1)と(2)が困難であれば、請負労働者を直接雇用するか、請負契約における注文者が直接請負労働者を雇用するしかありません。雇用するといっても、1年間や2年間などの期間の定めのある契約を結べば足り、期間の定めのない契約を結ぶ必要はありません。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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