【第44回】労働組合が結成されたときの対応(7)

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【第44回】労働組合が結成されたときの対応(7)

2010年11月29日

物流運送は、従業員50名の創業40年の会社です。現在の社長は、2代目にあたり、特にこれといった問題もなく経営を続けてきました。ところが、ここ数年は、大口取引の減少による業績不振、原油の高騰などがかさみ、ついに、昨年は赤字に転落しました。このままでは、銀行の融資もままならないので、従業員一人あたり平均10パーセントの賃金カットを行いました。ところが、これに不満をもった従業員5名が労働組合を結成し団体交渉を要求してきました。上部団体の役員も団体交渉に参加する意向を示してきています。物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


 過去に一度労働組合対応について記事を記載しましたが、今回は数回にわたって、労働組合が結成されたときの対応について述べたいと思います。ただし、理屈を言っても何も役に立ちませんので、会社の担当者の方がしてはいけない対応を10あげて皆様に労働組合との対応をお伝えしたいと思います。

8.関係会社の問題なのに親会社が団体交渉に参加してしまう
 比較的規模の大きな会社であれば、多数の関係会社を有していると思います。その結果、親会社本体ではなく、関係会社の従業員が合同労組に駆け込むことがあります。合同労組は、このような場合、従業員が勤務している関係会社だけではなく、親会社に対しても団体交渉を要求することが多々あります。

 合同労組と関係会社の従業員との問題ですから、親会社は全く関係のないはずです。にもかかわらず、合同労組によっては、執拗に親会社に対し団体交渉拒否であると述べるところもあり、会社によっては、これに応じてしまうところもあります。一度団体交渉に応じれば、その後は団体交渉に応じざるを得なくなります。法的には、関係会社と親会社が一定以上の密接な関係にあれば、団体交渉応諾義務があるといわれていますが、まずは、親会社は団体交渉には出るべきではありません。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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