【第38回】労働組合が結成されたときの対応(1)

連載トップへ

【第38回】労働組合が結成されたときの対応(1)

2010年9月 6日

物流運送は、従業員50名の創業40年の会社です。現在の社長は、2代目にあたり、特にこれといった問題もなく経営を続けてきました。ところが、ここ数年は、大口取引の減少による業績不振、原油の高騰などがかさみ、ついに、昨年は赤字に転落しました。このままでは、銀行の融資もままならないので、従業員一人あたり平均10パーセントの賃金カットを行いました。ところが、これに不満をもった従業員5名が労働組合を結成し団体交渉を要求してきました。上部団体の役員も団体交渉に参加する意向を示してきています。物流運送はどのように対応したらよいでしょうか?


 過去に一度労働組合対応について記事を記載しましたが、今回は数回にわたって、労働組合が結成されたときの対応について述べたいと思います。ただし、理屈を言っても何も役に立ちませんので、会社の担当者の方がしてはいけない対応を10あげて皆様に労働組合との対応をお伝えしたいと思います。

1.上部団体の役員の出席を拒否する。
 会社担当者の方が一番陥りやすい間違いです。団体交渉の議題は、会社と会社従業員の間の労働条件などですので、会社担当者の方は、会社とは何ら関係のない労働組合の上部団体の人間と何故協議をしなければならないのかと思うようです。

 しかしながら、労働組合法上、使用者は、上部団体の団体交渉の申し入れには応じなければならないとしていますし、支部と会社との団体交渉であっても、上部団体の役員の参加を拒めないとされています。

 会社担当者の方が明確に団体交渉への上部団体の役員の参加を拒んだ場合は、労働組合は猛烈に抗議をします。その時点ではじめて会社担当者の方は、自分の行った行為が違法であることに気づくようです。労働組合は、会社に対し団体交渉拒否行為について謝罪を求めたりするなどして、自分のペースで団体交渉を進めることになります。上部団体の役員の団体交渉への参加を拒否することなく、団体交渉を行いましょう。

 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

GoogleAD