【第31回】会社が解散する場合の解雇(2)

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【第31回】会社が解散する場合の解雇(2)

2010年6月 7日

 前回は、たとえ、会社解散が労働組合解散の目的のためのものであっても、裁判所は会社解散が偽装解散(新会社を設立し、新会社で実質的には同一営業を引き継ぐこと)でなければ、解雇を有効と判断していると述べました。


 今回は、営業譲渡により雇用契約が当然に承継されるのか否かについて述べます。営業譲渡により雇用契約が当然に承継されるのであれば、設問の事例では従業員は譲受会社で従業員として働くことができます。

 そもそも営業譲渡における「営業」に雇用契約は含まれるのでしょうか?当然のことながら、当事者が雇用契約、雇用契約から生じる債権債務を承継すると双方が合意するのであれば、雇用契約から生じる債権債務を承継します。では、当事者が特段合意していないにもかかわらず、雇用契約から生じる債権債務は譲受人に承継されるのでしょうか?

 最近の裁判例は、営業譲渡において雇用契約から生じる債権債務を当然に承継することはないとの立場に立っています。但し、契約書において、雇用契約から生じる債権債務を承継しないとの特約を設けておかないと後々トラブルになることが多いので、必ず契約書には雇用契約を承継しないとの特約を明記しておきましょう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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