【第30回】整理解雇の有効性(8)

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【第30回】整理解雇の有効性(8)

2010年5月10日

 前回は、整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断され、その中の被解雇者選定の妥当性について述べました。今回は、手続きの妥当性について述べたいと思います。


 使用者は、整理解雇を行うにあたって、労働組合がある場合は労働組合と、労働組合がなければ解雇の対象となる従業員と協議を行わなければなりません。まったく使用者が労働組合又は従業員と協議を行わなければ解雇は無効となります。

 では、使用者はどの程度協議を行わなければならないのでしょうか?
一般的には、使用者は、人員削減をせざるを得なくなった経営状況、これまでのコスト削減を含む経営改善努力、今後の経営見通し、人員削減規模の根拠・時期、希望退職を募集するのであればその内容、解雇回避のための配転・出向などを説明し、従業員又は労働組合から質問のあった事項について誠意をもって回答することが必要となります。

 単に、使用者が「人員削減の必要性があるから解雇しなければならない」「赤字だから解雇しなければならない」など抽象的な説明を繰り返すだけでは不十分であり、解雇が無効となります。次回は続きを述べます。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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