【第27回】整理解雇の有効性(5)

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【第27回】整理解雇の有効性(5)

2010年3月29日

 前回は、整理解雇の有効性は、裁判例により、人員削減の必要性、解雇回避努力、被解雇者選定の妥当性、手続の妥当性の4要素を考慮して判断され、その中で解雇回避努力をする上で行う希望退職募集について述べました。


 今回は、被解雇者選定の妥当性について述べたいと思います。

 整理解雇を行う上で、全員を解雇するのであれば別ですが、一部の従業員を解雇せずに会社に残すのであれば、従業員を評価して、被解雇者を選定しなければなりません。その際、被解雇者を選定した理由について、合理的な説明をなし得ることが必要で、訴訟となった場合には、人選理由を証拠として提出しなければなりません。

 では、人事考課を人選基準とすることはできるのでしょうか?人事考課は、会社、業種によるのでしょうが、能力、実績、勤怠、職場規律の遵守などを考慮して行い、従業員間で相対評価を行うことが通常です。また、人事考課を継続的に行っているのであれば、恣意性が入る余地は少ないことが多いです。したがって、人事考課が一定基準以下の従業員を被解雇者とすることは合理性があると言われています。

 次回は、企業への貢献度、経済的打撃の大小、非正規社員の優先的に解雇できるかなどについて述べます。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

向井蘭弁護士

向井蘭 労働組合問題など使用者側の労務問題を主に取り扱っている。
モットーは、企業と従業員のハッピーな関係を追及すること。
経営者側の労働問題に関するお問合せは、「労務ネット」まで
URL:http://www.labor-management.net/

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